一般事件でも、訴訟提起を萎縮させる!
民事裁判の多くは、提訴または応訴の段階においては、証拠が十分に収集できず、訴訟の見通しがたたないことが少なくありません。例えぱ、医療事故や欠陥商品事故の場合、訴訟提起前には被害者側にはほとんど証拠がありません。
また、地裁と高裁とで、同じ証拠を前提としながら、判断が逆転することもあります。
裁判では、結果として一方が勝訴、他方が敗訴となっても、お互いの言い分にはそれぞれ相当の理由がある場合が多く、敗訴者が争ったことが不当であるとは言えない場合もあります。離婚事件で夫婦それぞれにそれなりに言い分があるというのも、その一例です。
このように、私たちにごく身近な通常の民事事件でも、敗訴者負担制度は裁判を躊躇させてしまいます。 |