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2003年04月28日(月) 15時41分

<教育訓練>5月1日から給付額減 駆け込み受講が殺到毎日新聞

 再就職や転職に役立つ技能・資格取得を国が支援する「教育訓練給付制度」の給付金額が5月1日から、大きく削減される。これを受けていま、資格取得学校や英会話学校には駆け込み受講希望者が殺到している。4月中だと変更前の条件が適用されるためだが、中には「何を勉強していいかわからないけど、給付金はほしい」と申し込む人もいて……。 【小国綾子】

 ◆主役は30代

 「制度が変わる前に利用したい。何をやればいいでしょうか」。社会人向け資格取得学校「ヒューマン・アカデミー」(東京都新宿区)には、こんな相談が急増している。同校の制度対象講座は104講座。3月にも駆け込み需要は多かったが、特に4月中旬を過ぎて、受講目的が明確でない人の問い合わせが急に目立つようになったという。

 「多くは30代で、40〜50代はほとんどいない。若い人の方が現在の雇用状況に漠然とした危機感を抱いているのでは」と同校は分析する。すでに開講した講座については、ビデオで補講を用意し、4月下旬からの参加も受け入れているという。

 ◆もらわなきゃ損?

 再就職に有利な資格取得を助け、ひいては失業者の抑制につなげようと始まった同制度。利用者数と給付金は約28万5000人、396億円(01年)に上ったが、失業率は依然高いまま。雇用保険財源が苦しくなって今回の給付金削減となった。

 雇用保険法改正案は25日に成立。施行日の5月1日から、給付金が受講費の80%(上限30万円)から40%(同20万円)に引き下げられる。

 駆け込み需要で特に人気が高いのが「英会話」。中には法改正に合わせて連日、説明会を実施する英会話学校もある。都内の大手英会話学校の男性スタッフ(33)は「問い合わせだけでもいつもの4〜5倍。一部のコースは断っている状態だ。『一番トクなコースはどれ?』『英語に興味はないけど、制度が変わる前に始められるコースが他に見つからなかった』という人も多い」と嘆く。

 ◆困惑する厚労省

 英会話学校への駆け込みは、実は昨年3月にもあった。「制度の趣旨からいって初心者対象はおかしい」と、初級英会話の講座が制度の対象から外れた昨年4月直前、一部の英会話学校が「3月末までに受講を」と派手にPR。厚生労働省が「あおるな」と注意する騒ぎとなった。

 今回も厚労省には「給付額が減るのは本当?」「英会話学校で『今しかない』と勧誘された」などの問い合わせが、1日約100件入る日もあった。同省は昨年の「あおり騒動」を重くみて、今年2月、「駆け込み需要をあおる宣伝は避けて」と資格学校や英会話学校に指導した。しかし、「まだ間に合う」「お急ぎください」などの勧誘文句は、いまもチラシやホームページに見られる。

 同省雇用保険課は「本来、能力開発を望む人を支援する制度であって、『制度があるから何かやってみたい』という利用者はあってはならないはずなのだが……」と困惑気味だ。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030428-00001079-mai-soci

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