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2003年03月30日(日) 00時00分

県警の不祥事もみ消し 身内に甘い隠ぺい体質 東京新聞

 部下の詐欺事件のもみ消しを図ったとして、県警幹部二人が二十八日、犯人隠避容疑などで書類送検された。「自分の部から不祥事を出したくなかった」という二幹部の供述からは、自己保身、身内への甘さ、隠ぺい体質といった警察組織の暗部が見え隠れする。飲酒運転、セクハラなど、今年に入り不祥事が次々と発覚する中、警察官の職業倫理が強く問われている。

 犯人隠避容疑などで書類送検されたのは、元県警生活安全部長・淡島清警視正(60)と、元鉄道警察隊長・峰岸正男警視(60)。

 両容疑者は(1)元鉄警隊副隊長・宮崎文雄容疑者(50)=業務上横領、詐欺容疑で送検済み=が、乗車警備の旅費一万数千円をだまし取った事実を知りながら、共謀して事件の隠ぺいを図った犯人隠避(2)峰岸容疑者が宮崎容疑者の始末書をシュレッダーで処分した公用文書毀棄(きき)と証拠隠滅−で立件された。

 昨年十月上旬、峰岸容疑者は集めた鉄警隊員全九人に「宮崎を勘弁してやってくれ。部外に出さないでくれ」と懇願。明らかな口止めで、部下を隠ぺいの共犯者にしかねない行為だった。

 この三日前、峰岸容疑者は部下から詐欺事件の報告を受け、すぐに直属の上司である淡島容疑者に事実を報告していた。両容疑者は話し合った末に、事件を隠すと決めた。

 この三日間に、峰岸容疑者は宮崎容疑者から事情聴取。「自戒を与えるため」と、詐欺の手口と反省の始末書を書かせたが、三カ月後の一月上旬、シュレッダーで破棄した。始末書の保管期間に決まりはない。捜査幹部は「ある程度時間が過ぎたから破棄しただけで、証拠隠滅の意図はなかったのではないか」と話すが、詐欺の重要な証拠と判断し、証拠隠滅容疑で立件したという。

 両容疑者は減給処分を受けたが、三十一日付で定年退職となるため実質的に減給されない。退職金については、事件発表直後は支払う予定としていたが、その後、一時差し止めにし、事件の処分が決まってから検討することに変更した。しかし、県警警務部は「県条例に従い、禁固刑以上の有罪判決を受けない限り、退職金は付与する」としている。額については明らかにしていない。

 両容疑者は「県民にご迷惑をかけ申し訳ない」と謝罪しているというが、信頼を裏切られた県民と、昼夜その安全を守り続ける、ほとんどのまじめな警察官の心には、むなしく響くばかりではないだろうか。 (岸本 拓也)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/gnm/20030330/lcl_____gnm_____000.shtml

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