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2003年02月10日(月) 00時00分

「ロン毛、茶髪OK」ヤミ金就職の若者急増好待遇うたい無職の若者ねらうZAKZAK


ヤミ金の魔の手が迫っているのは、利用者だけではない…(写真と本文は関係ありません) 法外な高金利で多重債務者らに貸金を行い社会問題化している「ヤミ金融」業者が、就職情報誌で「ロン毛、茶髪OK」「店長昇進、月収180万円以上!」などと破格の好待遇をうたって、20代の若者を積極的にリクルートしている。深刻化する就職難も背景にあり、相当数の若者がヤミ金に“就職”したとみられ、逮捕者も続出。ヤミ金業者による怖〜い“青田買い”の実態は−。

 「固定給25−70万円プラス歩合、ノルマなし」「ロン毛、茶髪、ピアスもOK」「フリーター可」「食事・たばこ代支給」「ブランドスーツ貸与」…。

 就職情報誌の「高収入でガッポリ」欄には、ヤミ金業者のこうした求人広告が目立った。

 東京都貸金業協会の調べだと、昨年10月に発行された就職情報誌には、東京都に登録された金融業者125社が求人広告を出し、うち70社は同協会の「ヤミ金融苦情ダイヤル」に、高金利や違法取りたてなどの相談が寄せられた業者だったという。

 警視庁などの合同捜査本部が先日、出資法違反(高金利)容疑で逮捕した元店長(24)も、就職情報誌を見て応募していたことが本人の供述により明らかになっている。

 こうした業者の多くは、登録番号が「都(1)」(トイチ)で始まる登録間もない業者だ。

 東京都金融課によると、新規登録申請数は、大手銀行の「貸し渋り」や「貸し剥がし」が問題化し、ヤミ金業者が暗躍するようになった近年増加の一途をたどり、平成9年度の1156件から昨年度は2101件に倍増。今年度も毎月200件と昨年を上回るペースで推移し、トイチ業者は大増殖している。

 しかも、「新規登録者の約7割は20代」(同課)。貸金業協会の担当者は「情報誌で集めた若者にスポンサーが資金を与え、開業するケースがほとんど」という。

 というのも、貸金業の登録に必要なのは住民票と登録料4万3000円などで、預金通帳など資金を示すものは不要と実に簡単なため。暴力団などヤミ金に資金提供するスポンサーにとってメリットは大きく、逮捕された元店長と同様に、若者たち1人ひとりを開業させれば、事件化した際にトカゲのシッポ切りで捜査の目をかく乱できる。

 ヤミ金融の社会問題化を受け、アルバイト情報誌を発行する出版社は昨年11月、「トイチ業者を原則的に掲載しないことにしたほか、高額報酬をうたう業者の掲載にも注意するようガイドラインを改め、現在は掲載されていない」(学生援護会広報)。

 このため、今では求人の舞台はフリーペーパーやインターネットに移っているようだ。

 大卒者の内定率約64%、高卒者は約33%という史上最低水準の内定率では、「ヤミ金で金を借りるより、ヤミ金で儲けて店を開く方が賢い。夢はサーフショップ店主」(池袋の業者)という若者が後を絶たないのも事実だ。

 新宿や池袋など主要ターミナル駅近くの一部銀行では、携帯電話を片手にATMを長時間占拠するヤミ金融業者とみられる若者らが問題化。

 「今、昼間でもタクシーを使ってくれるのは景気がいいヤミ金の若者ぐらい。この前は20代の女性が携帯電話で『ウチも慈善事業じゃないんだからさぁ』と凄みをきかせていたのでビックリした」(都内のタクシー運転手)と、ヤミ金の若者がまさに肩で風を切って歩いている。

 前出のヤミ金融業者は「資金源? 知らないよ。いくら利息が高くても、約束通りに金返すのが常識でしょ」とうそぶき、現在の月収について「バラつきはあるが、50万円以上は楽勝だね」と明かしてくれた。

 捜査当局は、暴力団資金の温床となり、被害も広がっていることから、違法業者の摘発に全力をあげており、昨年一年間で摘発した事件は、史上最高の238件(警察庁調べ)にのぼる。

 オイシイ話には裏があることをお忘れなく。

ZAKZAK 2003/02/10

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_02/3t2003021010.html

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