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2002年11月18日(月) 07時08分

東北で再び節電器トラブル 今度は個人事業者狙う河北新報

 数年前、全国的に相次いだ節電器のトラブルが、東北で再び増える兆しを示している。以前の購入先は一般家庭が多かったが、今回は店舗や事務所を持つ個人事業者らが相手。事業者同士の売買契約は「商行為」とみなされ、特定商取引法などの消費者保護規定が適用されず、クーリングオフの対象にならないことが背景になっているようだ。「省エネによる経費節減」を期待して節電器を購入しても、思ったほどの効果が上がらないばかりか、解約できないためにローンだけが残るということになりかねない。(報道部・中村洋介)



<「電気代変わらず」>

 仙台市青葉区で飲食店を経営する50代の男性は10月、東京の業者から55万円の節電器を購入した。工事費としてさらにかかる30万円も含め、すべてローンを組んで支払った。

 男性は「業者から『毎月5万円の電気代が少なくとも3万円以下になる』と言われて購入した。でも、ほとんど変わらない」と話す。電気代が5000円程度少なくなったが、それはクーラーを使わなくなったためではないかとみている。

 節電効果を疑問視した男性は先日、業者に電話で売買契約の解約を申し込んだが、業者は「事業者同士の商取引なので解約できない。あと3カ月待ったら効果が出る」などと話し、解約に応じなかった。



<ローンは2—5年>

 節電器は電圧を抑えて消費電力量をカット、電気料金を節約するという機器。数社が50万円から100万円前後の価格で販売している。2—5年のクレジット契約を結び、信販会社に月2万—3万円を支払うケースが多い。「節約される電気料で月々の支払いができる」とPRをしている販売業者もある。

 だが、期待された節電効果が出なかったり、電気機器が故障したりといったケースも多く、中小企業庁にはことし4月から「解約したいが、何か方法はないのか」といった相談が相次いでいる。東北経済産業局にも同様の相談が毎月数件ずつ寄せられているが、「解約は難しいと説明するしかない」(中小企業課)。

 節電器をめぐっては1997年から98年にかけて、「宣伝より効果がない」などの苦情が全国で500件を超えた。当時購入したのは個人(一般家庭用)が多かったため、特定商取引法(当時は訪問販売法)などで定められたクーリングオフの手続きが取ることができた例も多かった。



<早急な法改正必要>

 ただ、購入先が店などの業者になると、クーリングオフ制度が適用できず、購入後の解約は事実上できない。節電器の販売業者はここ数年、家庭用よりも業務用の販売を強化しているようで、売買契約書も「事業者間の取引」を明記する様式になっているという。

 消費者問題に詳しい新里宏二弁護士(仙台弁護士会)は「大半の個人事業者は単独で訴訟を起こす経済力がなく、立場は消費者と同じ。保護されないのは不合理だ」と、法改正によってトラブル防止に乗り出す必要性を訴えている。

[河北新報 2002年11月18日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021118-00000005-khk-toh

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