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2002年05月31日(金) 00時00分

砂糖研究団体HP 1万2000人分情報流出 中日新聞

 医学者や菓子研究家らでつくる団体「砂糖を科学する会」(東京都千代田区)のホームページ(HP)から、懸賞に応募した東海地方をはじめ全国約一万二千人分の個人情報が盗まれ、ネット上で七時間以上、自由に閲覧できていたことが分かった。何者かがホストコンピューターのセキュリティーを破り、不正にアクセスしたとみられる。最近、ネットにおける個人情報の流出が相次いでおり、管理の甘さが問われている。

 同会がHPの運営を委託している管理会社によると、二十九日午前二時五十五分ごろ、別のHPの掲示板に、同会の懸賞にネットで応募した人たちの個人情報が閲覧できるHPのアドレスが掲示された。

 この管理会社は同十時ごろに気づき、個人情報のファイルを閲覧できないようにした。同会は「おわび」をHPに掲載し、対応に追われた。

 流出した情報は、二〇〇一年十一月から今年三月までの間に、同会のHPにあった懸賞コーナーに応募した人の住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレス、懸賞動機など。延べ一万二千人分が漏れた。

 同会は、医学や栄養科学の専門家が砂糖を研究し、砂糖の効用や効能の普及活動に努めている。三月まで活動の一環として砂糖や料理本などが当たる懸賞を行っていた。

 同会は「サーバーのコードを盗み出された。管理に甘さがあった」と反省。何者かが販売目的で名簿を盗み出したか、悪質ないたずらとみられる。

 個人情報流出の被害に遭った名古屋市北区の主婦(32)は「セキュリティーは安全と信じて応募しているので困惑している」と話した。岐阜市の主婦(36)は「正直言って、インターネットでは少し心配しながら応募している。これでは今後は考えてしまう」と話した。

 ホームページ(HP)から、また個人情報が流出した。インターネットによる銀行振り込みや証券業務を行う会社は、多額の資金を扱うため安全管理を強化しているが、そのほかの多くは安全対策が甘く、コンピューターの知識を悪用した者の不正アクセスには無防備に近いのが実情だ。

 今月下旬、エステティックサロン大手のTBC(東京ビューティセンター、東京)のHPから最大で五万四百三十八人分、建材メーカー「YKKアーキテクチュラルプロダクツ」(東京)のHPから四万五千人分の個人情報が相次いで流出した。一昨年十一月には教育出版会社のHPから入社希望の学生百人、同年三月にコンピューターゲームの予約注文HPから二百六十六人の個人情報が漏れた。

 被害に遭った関係者は「セキュリティーを強化してもハッカーはさらに侵入してくるのでは」と困惑する。しかし、名簿が業者に渡り販売促進に利用されたり、若い女性へのいたずら電話などの被害は深刻だ。インターネットがだれでも使え、身近になるほど、情報管理の徹底が求められる。

 日本弁護士連合会情報問題対策委員会の杉浦英樹副委員長は「日本はIT社会と騒いでいるが、欧米では電子情報を必要以上に集積させないで、被害を最小限に防ぐようにしている。HPからの個人情報の流出は、これから起きる大きなコンピューター被害の序章にすぎない。早急な法整備などが必要」と訴える。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20020531/mng_____sya_____005.shtml

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