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2002年05月19日(日) 09時56分

医療過誤を市民が「鑑定」 ホームページで訴訟を再検証朝日新聞

 医療過誤訴訟でまかり通る不可解な鑑定や判決を、法廷外で「鑑定」する−−東京の市民団体がホームページにこんなコーナーを設けた。鑑定人や裁判官らの実名も挙げて検証し、公平な医療裁判の実現をめざす。

 この団体は医療消費者ネットワークMECON。近藤誠・慶応大医学部講師の協力を得て、手始めに四つの事例を「鑑定」し、ホームページ(http://homepage2.nifty.com/MECON/)に載せた。

 たとえば、福岡県の病院での京都大教授(当時)による脳手術で、患者が1カ月後に死んだケース。福岡地裁支部で手術の必要性や手術ミスの有無などを争点に裁判が続いている。

 鑑定人の埼玉医大教授は、執刀医や病院の落ち度をほとんど否定。執刀医について「標準以上の腕前だ」と褒めた。

 しかし、MECONは、ほかの鑑定書や意見書がいずれも埼玉医大教授の見解とは異なる点を指摘。同教授が執筆者の一人である論文を取り上げ、「論文中の治療方針に反する鑑定意見を述べたのはおかしい」と批判した。

 東京大病院の医師が乳がんと早合点し、健康な乳房を切除したケースでは、多くの専門家が過誤と考えているのに、東京地裁は患者側の訴えを退けた(東京高裁で係争中)。

 これについては、「専門医が見れば、病院側に過失も責任もあるのは明らか」と分析する。

 ほかに、いびきの手術後に患者が死んだ訴訟で鑑定意見が分かれた▽脳手術後に患者が死んだ訴訟で最高裁が鑑定のずさんさを批判した、という事例を取り上げた。

 医療過誤訴訟で患者側が勝つのは難しい。患者側が過誤を立証しなければならないうえ、被告の病院や医師の側に有利な意見を述べる鑑定人が多いからだ。

 MECON代表世話人の清水とよ子さんは「学会で指導的な立場にある専門家ですら、医学的な常識をねじ曲げた鑑定意見を述べることがあります。後に検証される可能性があれば、いいかげんな鑑定はできなくなるでしょう」と話す。(08:51)

http://www.asahi.com/national/update/0519/007.html

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