厚藤四郎(戦闘服)その2  毎度毎度の事ながら、衣装作ってて一回目から思い通りに出来た試しが無い訳ですが、今回もまぁ時間の都合でいろいろ手抜きした点があったりしたので、手直し箇所をピックアップしてみた。できる限り手直ししておこう。、、、そういや昔、「りじちょの作る衣装って1回目と2回目で全然違う」って言われたことあったなw。仕方無いんや、〆切ギリギリか過ぎた後じゃないと天使が降りてこないんや。

@上着にダーツを入れてちょっとタイトに。
A右袖口を作り直し。金色ラインも入れる。
B小手に覆輪をかける。
C籠手の二の腕に金色の小篠を付ける。
D手甲を作る。
E籠手の長さの調整(ちょっと短いらしい)
F籠手の固定紐の取り回しを変えて、袖をこの紐で吊るように変更する(現在は籠手を上着の肩に縫い付けてしまっているが、袖の重さに引っ張られて左の襟元が空いちゃうんだわ)。
G袖付け、飾紐、肩上の取り付け方を再検討。ワンタッチで取り付けできるように。
H短刀のバランスを調整。
I短刀の下緒が緩んでしまうので対策。
J靴をコスプレ用に用意(つま先の金色を入れる)。

、、、半分以上が左手がらみだな(笑)。

@上着にダーツを入れてちょっとタイトに。
 裏返して兄に着せてまち針入れてみたら、やっぱり結構ブカブカだった。脇の下の位置が相当違うんだけど、ここ直すは難しいので胴回りだけでもなんとかする。
前ポケットが付いてるので、前にダーツを入れるのはちょっと難しい。脇の接ぎ合わせの所を左右20mmづつ、背中も二箇所17mmづつ詰めて見た。大っぴらに作業ができるようになったので、ミシンで一気に、、、と思ったけど、糸巻きとか行方不明で使えないというのでorz、仕方無いので返し縫いでちまちま手縫い。だいぶマシになった気がする。胴を一回りしている白線(ネーム用粘着シート)も一旦剥がして貼り直す。リサイクルなので、布用の接着剤で貼り直した。


背中2箇所と脇2箇所にダーツを入れたところ。白線は詰める前そのまま。この後で貼り直した。


白線を入れ直し、右袖を付けたところ。前にダーツを入れて無いのであんまり印象は変わらない。


A右袖口を作り直し。金色ラインも入れる。
 現状、ワイシャツの袖を切って縫い付けてるので、ちょっとみっともない。ただ、元の服の都合で袖がかなり短い(コートをジャケットとして使うために中の人が130サイズで120サイズを買ったので、袖がつんつるてんなのだ)。折返しの白袖を付けると見えなくはなるんだが、袖を継ぎ足して白い折返しを着けることにした。という訳で接ぎ合わせに紺色のツイルを買ってきた(というか去年のうちに買ってあった)んだが、、、。合わせてみたら色合いが違う、、orz。上着はかなり黒に近い紺なんだな。こればっかりは通販ではなんともならん、現物合わせでチェックするしかない。でもこんな濃い紺のツイル生地ってあるのかねぇ?。まずは市内の心当たりを回ってみたけど、どこも紺(ネイビー)って一色しか置いて無いなぁ。とりあえず、折返しの袖にする白のツイルは買ってきた。また返し縫いですか、、、。
 んで、超久々に日暮里行行ってきたよ。完全に同じ色って訳にはいかないけど、濃い紺のツイルを探してきた。上着の袖口の折返しをほどいて、筒に縫った袖を付け足す。微妙に色が違ってるしデコボコだけど、白い折返しの袖で隠れちゃうからいいことにしておく。


袖の延長部。端の始末をほどいて縫い付けた。写真では同色に見えるけど、実は少し色合いが違う。

 白い袖は袋に縫って反転してアイロン。おおむね、折返し部10cm、縫い代やなんやらで14cm幅。左手は籠手で隠れちゃうので、右だけでいいや。もう時間が無い。ちくちく返し縫いして、袖は縫い上がった。まず、延長部の処理。兄に試着してもらって袖の継ぎ足し部の長さを確認して内側に折返し。アイロン圧着テープで貼り付けて端処理。作った白袖を内側に縫い付けてから外に折り返してアイロン。折返しで完全に見えなくなるんで、すごい大雑把な波縫いで縫い付けた。金色のサテンリボンを接着剤で付けて完成。、、、、、いっぺん付け間違え(袖口側に付けちゃった)して、作り直したりしてる。


白い折返しを付けた。

B小手に覆輪をかける。
 ビニール被覆への塗装だが、軟質塩ビは可塑剤入りなので、ペイントが乾燥しても塗膜がどうしてもベタ付き気味になる。衣装の生地が紺、黒主体なので、糸くずとかがくっつくと結構目立つし見栄えが悪い。仕方無いかなぁ、、、と思っていたのだが、試しにググったら塩ビ用の塗料というのがあるようなので発注してみた。Vカラーという商品名。新たに単線コードを買って塗装、、、してみたら、前に使ったラッカー系の塗装に比べて、緑っぽいというか、寒色系の金色というか、、、


左が染Qの金色、右が塩ビ用の金色


被覆を剥いて芯を抜く。切り口が捻れてるのが見て取れる。

 小手の篠は表面処理が足りなかったので、ペーパーがけして重ね塗り。なんかうまくピカピカにならんなぁ。
 Gクリアで覆輪をかけて、前回同様に黒の平紐に接着、籠手の上から縛り付けて固定することにした。手首側の紐が短くて、すぐほどけちゃうんで後でなんとかしよう。
C籠手の二の腕に金色の小篠を付ける。
 二の腕、袖の内側に4本入れる。小篠というか筏か。例によって10mm幅のボール紙で作ろうと思っていたけど、さすがにこの幅だとよれる。仕方無いから塩ビ板で作ろう。こんなこともあろうかと買っておいた1mm厚の黒塩ビ板を切り出す。幅は15mmで切ってみた。久しぶりのPカッターでずれたり上手く割れなかったり、、、。切り出したら切り口を紙やすりで処理して表面に400番で足を着けてサーフェイサー吹き。元が黒い塩ビ板なので、手抜きして表面しか塗らない。サーフェイサーの上から金色スプレーして出来上がり。布用両面テープで籠手に貼り付けた。


切り出した篠にスプレーしたところ。


D手甲を作る。
 最初、丸い手甲を作って黒塗りした後、金色のマークを二箇所に入れようかと思っていたのだが、設定画をよく見ると、籠手の手甲部分に、金色(箔押し)の二つの甲が付いてる解釈に見えてきた。なので、金色の形に切り出した工作用紙の3枚重ねで作る。指側の丸い凹み部分は1枚だけ切り抜いて表現してみた。縁を木工ボンドで固めてペーパーがけしてエッジを落とす。


貼り合わせてエッジ処理した手甲、この後サーフェイサー噴いて金スプレー塗装。取付は布用両面テープ。黒い凹み部分にパンチで穴を開け、中指を通す紐をかける。


E籠手の長さの調整(ちょっと短いらしい)
 時間も無いしということで、単純な二つ折り平面型紙で作った訳ですが、どうも腕が突っ張ることになる。そもそも腕は前にしか向かないから、洋服だと肩との接続部で前側に湾曲して形を作る訳でして、、、、。という訳で、前側へのカーブをつけて型紙を改修。前の型紙を複製して、肩と肘の位置を確認してから切り離し、三角板を追加して湾曲した形に仕上がるようにする。


組み立てたところ。


F籠手の固定紐の取り回しを変えて、袖をこの紐で吊るように変更する(現在は籠手を上着の肩に縫い付けてしまっているが、袖の重さに引っ張られて左の襟元が空いちゃうんだわ)。

G袖付け、飾紐、肩上の取り付け方を再検討。ワンタッチで取り付けできるように。
 現在は、籠手を上着に縫い付け、そこに平紐を縫い付け、平紐に袖の緒を結びつけて、更に飾り緒を結びつけ、飾り緒に肩上の紐を結び着け、、、と何段重ねにも縛り付けてる。横から見ると押し込まれた紐で酷いし、着付けが俺以外できないことにw。
 結局、飾り紐とかとまとめて籠手と一体化させた。持ち運びの便を考えて、袖は取り外せないと困るので、クリップを着けてかませるように変更。まだ肩幅が無いんで、上手く格好付けるのが難しいというか、、、。


とりあえずは、袖はワンタッチのクリップで留めることにした。


H短刀のバランスを調整。
 柄が重くなって、下げ緒で吊ると柄が下がってしまって格好悪い。柄に紙やすりを巻いたので、ちょっと柄が大きく見えるような気がする。黒い鞘に白い柄だから仕方無いんだけど、、、。
 バランスに関してはその他に手を加えないで済むように、刀身か鞘の端に鉛シートでも仕込もうかと思ったが、よくよく見ると他にいろいろ直したいので、栗形を一旦引っぺがして位置を前にズラすことにした。
 まずは鞘。黒塗りしてみたら鞘の中心線が凹んでる(多分内刳りをしてるせい)ように見えたので、ペーパーがけをやり直をしてみたら、思ったよりデコボコだった。


ペーパーがけ中。中心の黒が残っているところが、凹んでいるところ。

光沢仕上げにするときは表面処理を怠っちゃダメ!絶対。少なくとも表側は目立たない程度までペーパーがけして平にしておく。こじりの蒔絵っぽいのは、、、諦めたorz。図柄がよく判らない。一巻きした蔓っぽいんだが、葉なんだか花なんだか(前田と平野の紋が似た図柄なので、藤四郎の「藤」の花らしい)、、、蒔絵も切金もやったことないしなぁ。どちらにしろ、水性塗料で鞘を塗ってしまったので、金色で上塗りするには結構気を遣わないと浸食されちゃうんで現状では断念。
 刀身の方も切っ先の部分の削りが甘くて、先端が膨らんでいるように見えちゃうので、アルミテープを全部剥がして刃を削り直し。アルミテープって元々配管の補修用だから粘着が結構強力で、剥がしたら刀身がベタベタになったorz。試しにベンジンで拭いてみたけど、多少の効果はあるけど完全には落ちなかった。そのままヤスリとサンドペーパーで磨いてもろとも削り落とす。


アルミテープと柄巻を剥がしたところ。鍔の塗装が一部剥げている。

 柄の紙やすりも剥がして後ろすぼまりになるように削って整形。バランス見て長さも10mmカットする。鍔に塗ったガンメタのスプレーの塗膜がよろしくなく、ボロボロ剥がれるので鍔の塗りもやり直し。とりあえず全部剥がした。ひょっとすると下地の真鍮カラーの塗膜をガンメタが浸食してる可能性もあるので、下地はサーフェーサーのみにした。塗装後に念の為オイルヒーターで一晩余計に乾燥してから作業した限りは、多少マシになったっぽいが、、、。太鼓鋲の塗装もボロボロ剥がれるので、塗り直ししてみたが、、、爪でひっかくとサーフェーサーごと剥がれるorz。黒い鋲を買えば良いんだろうけど、直径小さいのが銅しか無かったのよ、、、。紙やすりで足を着けてから塗り直し。、、、今度はとりあえずは付いたっぽいが、、、。あんまり強く擦っちゃダメだろなぁ。ミッチャクロンとやらを試してみようか、、、。


柄を削り終わって、柄頭を紙で巻いた。この後、刀身も削り直した。

 根本のハバキも作り直すことにして全部削り落とした。鞘と擦れて塗装は落ちるし、アルミテープが剥がれてみっともなくなるので、いっそのこと真鍮板を巻いてそれらしくすることに。紙で型を取ってから、0.1mm真鍮板で作って見た、、、がちょっと緩い。まぁこんなこったろうと買っておいた0.2mmで作り直す。うぉ、いきなり曲げづらくなった。切って削ってを繰り返してなんとか形になった。気分は白銀師。仮止め状態で鞘に収めてみたらとりあえずは入るので多用途ボンドで接着。浮かないように輪ゴムでぐるぐる巻きに。


制作中のハバキ。

 柄の紙やすりは、今度は傾斜した面に貼らなきゃならないので、型紙を作って切り出した。現物合わせで微調整しつつ接着。太鼓鋲を入れて完成。




I短刀の下緒が緩んでしまうので対策。
 ベルトに縛ってみたけどだんだん緩んでくるので、位置決めして裏から安全ピンで固定する。 ついでなので、ベルトも新調。ちょっと固めのナイロンベルトを買ってきて、スナップのコネクタを着けた。今のベルトはショーパン用に使うことにした。右肩からベルト吊ってる黒い紐(サムブラウンベルトか)を着け外しがすぐできるようにしたいところ、、、。

J靴をコスプレ用に用意(つま先の金色を入れる)。
 現状のは兄の礼装用のローファーなのでさすがに加工できない。あと、ローファーだとモカシン縫いが入ってるので、つま先だけ別色にしづらい。という訳で、プレーンかストレートチップの靴を探してみた(また楽天で)。幸い、ワンサイズ訳あり品が半額セールであったので、ちょうど兄のサイズなので発注してみた。試着したら、ちょっと甲がキツイらしい。うーん、、でもこれより大きいと緩いって言うしなぁ。
 で、マスキングして塗っちゃえばいいか、、と思っていたのだが、資料を見せて貰ったらつま先は金属補強という設定らしい(安全靴か)ので、金属は無理としても合皮くらいはかぶせた方がよさそうだ。という訳でラリッサを購入。、、、、シート貼りって確か裏布をアセトンで剥がすんだったような、、、アセトン残ってたかなかなぁ?。、、、残って無かったorz。缶は物置で発見したけど、空だった。全部揮発しちゃったらしい。という訳でこれも新規に買ってくる。ご近所HCがFRP素材扱ってて良かったな。
 とりあえずソールを塗ってみるべとマスキング。結構面倒くさい。小さいし。マスキングテープと新聞紙でぐるっと覆ってから金スプレー塗装。何回か重ね塗りして様子見るか、、、。夜中に塗るとムラとか全然判らん。
 ラリッサを細幅に切り出し、裏地を剥がす。実は、やるの始めてだったりする。着ぐるみ作ってた頃は、主に塩ビシートかカッティングシートを貼ってたし、ラリッサ使うときも平面なんで裏地剥がす必要無かった。つけ込みして溶かさなきゃダメかと思っていたけど、刷毛で塗るだけでベリッとあっさり剥がれた。へぇ、、、。ちょっとググってみたら、溶剤使わなくても力尽くでも行けるらしいw。加熱伸ばしもやったことないから、これもまずは挑戦。脱衣所のカーボンヒーターであぶって、靴のつま先に押し当てて型を作ってみた。、、、加熱が足りないのか、あんまり伸びないな。あんまり焙ると光沢落ちるともいうし、、こういうのは経験が物を言うなぁ。

 で、結局塗装になりましたとさ。ストレッチエナメル使った方が良かったか、、、。




というわけで、出来上がりはこうなった。だいぶマシにはなったかなぁ。