本多菊次朗出演作品(4)


淫乱なる一族・第一章 痴人たちの戯れ

2004年、製作:セメントマッチ、配給:新東宝
監督:池島ゆたか、脚本:五代暁子
出演:平川直大 、矢崎茜、酒井あずさ、山口玲子、華沢レモン、牧村耕次、本多菊次朗

「ぼくは結婚したかった」彼女にふられて意気消沈していた主人公(平川直大)は、取引先との合コンで二人の女性と知り合った。貿易会社の社長令嬢リョウコ(矢崎茜)と、外資系会社のキャリアウーマンさくら(山口玲子)。雰囲気のまるっきり違う二人に心惹かれる彼だったが、その場の流れでリョウコと親しくなり、半年後には結婚。東京郊外の彼女の実家に同居することになる。そこに住まうのは一見紳士的な義父(牧村耕次)と、お色気たっぷりな義母(酒井あずさ)、そしてレオナルド・ディカプリオにえらく入れ込んでいる、リョウコとは腹違いの義妹(華沢レモン)。ラブラブな新婚生活が始まった…はずなのだが、なんとなく変だ。彼女の、その家族が。主人公だけでなく彼の母親にまで2億の生命保険に入れとしつこくすすめる義母に、ちょっと心がどこにいっちゃってるらしい妹の奇行、カラスと鳩を人類の敵と見なして異様に憎む義父。そしてときおり見える、天井裏からの謎の灯…。実は義母はリョウコにとって3番目の母親らしく、それまでの二人は相次いで急死したらしい。そして主人公の母までが謎の事故死。何故。もしかしてそれって。脳裏によぎる、無理やり加入させられた二億の生命保険。妻リョウコの言動も変だ。徐々に彼に不安が忍び寄ってくる。よせばいいのに、不安にかられた彼はたまたま再会したさくらと浮気してしまう。そこで遂に訪れる最大の災難。「さくらさんと、結婚すればよかったー!」そう叫んだとき、既に事態は手遅れなのだった…。

変態一家に婿入りしてしまった男が悲惨な目に合う話…かな。ある程度筋は読めても、謎の部分は結構最後の方までひっぱられるので雰囲気としてはいい感じ。結局その家族が何者であるのかもきちんと描かれないところが、余韻としても面白い気がした。でもなんかこの結末は嫌だなぁ。(その部分での主人公のクローズアップ、昔見たタイ映画の「ナンプーは死んだ」を思い出してしまった。いや全然違うけど勿論。あと音楽の使い方では「マルホランド・ドライブ」を…ってこれも全然違うけど)もうひとつ何か大逆転が欲しかった。それに登場人物それぞれの変な感じも、活かされているような、いないような…。
この作品は第二部と両方観たほうがきっと面白いだろーから、3月に衛星劇場で放映されるのを楽しみに待ちたいと思います。

出演している俳優がみんないいなぁ。女優三人も皆きれいだし、とくに酒井あずさ…たまりません。なんでこんなにキレイなのか。そしていやらしいのか。彼女の登場シーン(と喋るシーン)が待たれて仕方なかったです。攻めセリフもいちいち素敵。主人公の平川直大のトホホぶりも可愛らしかった。
なお本多氏は謎の社長(牧村耕次)の手足となって働く運び屋の役で登場。仕事を果たしたごほうびに、社長夫人とその娘にいたぶられて歓ぶM男で、見事なヨゴレでした。どひゃー(笑)ああ…ホンダさんが美しき酒井あずさにあんなことやこんなことをされて。萌え楽しい。楽しい…けど…(ちょっとだけ涙目)(2005.2.11.)


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淫乱なる一族・第二章 絶倫の果てに

2004年、製作:セメントマッチ、配給:新東宝
監督:池島ゆたか、脚本:五代暁子
出演:山口玲子、秋津薫、本多菊次朗、牧村耕次、平川直大、矢崎茜

「ぼくは結婚したかった」彼女にふられて意気消沈していた主人公(平川直大)は、取引先との合コンで二人の女性と知り合った。貿易会社の社長令嬢リョウコ(矢崎茜)と、外資系会社のキャリアウーマンさくら(山口玲子)。雰囲気のまるっきり違う二人に心惹かれる彼だったが、その場の流れで 主人公はさくらを選び、その後結婚。さくらは主人公の実家で専業主婦となり、寝たきりの祖父(牧村耕次)の世話、男やもめの父(本多菊次朗)の世話、そして出戻りの姉(秋津薫)のイヤミも苦にせず、かいがいしく嫁の務めをこなす。美貌で性格もよく、家事も万能。全てがカンペキに思われたのに、彼女には問題が少々。ひとつはセンスの悪さ、もうひとつは妙な(特にセックスに関する)理屈っぽさ。そして最後は、イジョウなまでの性欲。毎晩責め苛まれる主人公は新婚三ヶ月目にして不能になってしまい、へとへとになって彼女を避けるようになる。夫に避けられるようになったさくらはそのはけ口を家族に求めるようになり、主人公が気づいた時には父も姉も祖父も皆さくらのとりこ。謹厳実直な家族はいつの間にやら、立派な変態家族になってしまっていたのだった。みんなどうしちゃったんだー!こんなことなら、「リョウコさんと、結婚すればよかったー!」

「淫乱なる一族・第一章」で社長令嬢を選んで死にかける主人公が、この物語ではもう一人の女の子を選んでやっぱりヒドイ目に遭う、そんな気の毒な話(第一章と矛盾してる部分があるのだけど、まあいいことにしよう)。でも、誰も死なないし彼以外はみんなハッピーなんだから第一章よりもシアワセな物語なんじゃなかろうか。寝たきりのじいちゃんは起きて歩けるようになるし(一時的にだけど)、意地悪な姉さんも優しくなるし、今のとこめでたいことばっかりじゃん。主人公以外は。
微妙に不気味な雰囲気を残しつつコメディだった一章と違って、これは完全にスラップスティック。「ノーパン秘書2」系だなぁ…(音楽も「2」と同じだなぁ)と思ったら、その映画(「2」のほう)を家族で観てるなんて楽屋オチもあったりします。第一章もそれなりに面白かったけど、あれはちょっと後味が悪かったし、私はこっちのほうが底抜けにバカバカしくて好きだな。もう展開といいセリフといい演技といいとことんベタなんですが、なにも本気にならずにおきらく〜に楽しめました。
ストーリーなんかあってないようなものだけど、山口玲子の新妻っぷりがキュートで(ちょっと怖いけど)エロくて大好きです。濡れ場はほとんど全部が彼女主導で描かれるんですよね。絡みのシーンの彼女を見ているのもとても楽しかった。それにあのグラマラスな…大迫力な巨乳。うらやましい。けど、他の女優が皆胸ちっさく見えちゃうのが気の毒な感じでもありました。

マジメーな教師だったのに、自分の父親が息子の嫁とやったと聞いた瞬間「ちきしょー!親父のヤツ!自分だけいい思いしやがって!」と切れちゃうのが本多菊次朗氏。このシーンある意味見せ場です。マジメで善良な顔して実はかなり変てこ、という「ノーパン秘書」シリーズの社長役と似た雰囲気で、ものすごく特徴的な役柄でもないんですが、第一章でのヨゴレ役にちょっぴり涙目になってしまった私、正直ホッとしたし、且つ楽しめました。
あとは何より牧村耕次のじいちゃんぶりが必見。過去「不倫妻の淫らな午後」のおじいさん役は本当に素晴らしかったのですが、こっちのじいちゃんぶりのほうが大好き。いやもうセリフ言うたびこっちを向くたび笑えて仕方なかったです。何がツボだったのだろう私。ツボといえば「パール根太」というアイテムも妙にツボでした。なんか絶妙なタイミングで名前が出てくんだもの。 (2005.6.5.)


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