ビデオタイトル「更衣室の戯れ〜ゆれる美尻〜」
2002年、製作・配給:国映=新東宝
監督:女池充、助監督:坂本礼、脚本:西田直子
出演:佐野和宏、今野順貴、絹田良美、水原香菜恵、江端英久、佐々木基子、石川裕一、本多菊次朗
ビリングのトップはスイミングスクールのコーチを演じている水原香菜恵。しかしヒロインは彼女ではなく、その友だちで警備員をやっている「ぶーやん」(絹田良美)である。ある日、事務所の夜間警備にあたっていた彼女は、盗みに入った親子(佐野和宏、今野順貴)をひっつかまえるが、必死に父親をかばう子供の様子を見た彼女はその親子を逃がしてやる。いっぽう、盗みに入っていた男は小学生の塾講師をしていたが、教え方がヘタなのかなんなのか、生徒がどんどん減って今は自分の息子しかおらず、借りていたビルから立ち退きを命令されてしまう。立ち退きを避けるために金を作ろうとして盗みを働いたのだった。親子はその後、ぶーやんが怪我で入院したことを知り、申し訳なさで見舞いに訪れる。
この映画、大好き。スウィートでキュートな物語である。冒頭、プールでの「ぶーやん」の登場の仕方からして楽しくおかしい。しかも、全編、暖かい楽しさに満ちている。優しくておおらかだけど、太っているのがコンプレックスで処女のままのぶーやん。彼女が柔道の道場の先輩(江端英久)にあこがれているということを知って、彼女の親友(水原香菜恵)とたまたま行きがかり上仲良くなったハゲてしょぼくれた中年男(佐野和宏)があれこれやと処女喪失の世話を焼く。往年の初体験物と言ってもいいのだが、この映画のオモシロイところは、ヒロインが中年男の文字通り手を借りて寝技に持ち込み、憧れの人とやっちゃう展開。とにかく初体験は好きな人となのである。しかし、この映画がよりいとおしくなるのは、初体験のその後、ヒロインにとっては残酷な結末が、さわやかな優しさと一抹の哀しさをもってキッチリと描かれている終盤部分である。
物語を作ったのが女性(西田直子。「スワッピングナイト」は好きじゃなかったのだけど)だからか、ぶーやんという女の子の可愛らしさ、彼女と親友との女同士の力関係とか、彼女の初体験のその後のエピソードなど、いずれもとても好感が持てるし説得力も感じさせられる。テーマ曲であるサンバ音楽も、ラスト部分で小憎い使われよう。
ぶーやん役の絹田良美は本当に愛嬌があってカワイイ。行きずりながらぶーやんをほっとけなくなる(そして最終的に彼女から「勇気をもらう」)中年男が佐野和宏。彼の妻で今は若い男と暮らしているのが佐々木基子。
本多菊次朗氏は水原香菜恵(おっぱい大きくて羨ましいなぁ・笑)の不倫相手でもある同僚として冒頭から登場、絡みだけでなく*泳ぐ姿*も見せてくれます。ひたすらダメダメな妻帯者っぷりが絶品!!こうしてみると二枚目じゃん(失礼)な江端英久(@弟at兄嫁シリーズ・笑)と共演するシーンなどが見られて得した気分…。
(2003.7.19.)