本多菊次朗出演作品(4)


ハレンチ・ファミリー 寝ワザで一発!

ビデオタイトル「更衣室の戯れ〜ゆれる美尻〜」
2002年、製作・配給:国映=新東宝
監督:女池充、助監督:坂本礼、脚本:西田直子
出演:佐野和宏、今野順貴、絹田良美、水原香菜恵、江端英久、佐々木基子、石川裕一、本多菊次朗

ビリングのトップはスイミングスクールのコーチを演じている水原香菜恵。しかしヒロインは彼女ではなく、その友だちで警備員をやっている「ぶーやん」(絹田良美)である。ある日、事務所の夜間警備にあたっていた彼女は、盗みに入った親子(佐野和宏、今野順貴)をひっつかまえるが、必死に父親をかばう子供の様子を見た彼女はその親子を逃がしてやる。いっぽう、盗みに入っていた男は小学生の塾講師をしていたが、教え方がヘタなのかなんなのか、生徒がどんどん減って今は自分の息子しかおらず、借りていたビルから立ち退きを命令されてしまう。立ち退きを避けるために金を作ろうとして盗みを働いたのだった。親子はその後、ぶーやんが怪我で入院したことを知り、申し訳なさで見舞いに訪れる。

この映画、大好き。スウィートでキュートな物語である。冒頭、プールでの「ぶーやん」の登場の仕方からして楽しくおかしい。しかも、全編、暖かい楽しさに満ちている。優しくておおらかだけど、太っているのがコンプレックスで処女のままのぶーやん。彼女が柔道の道場の先輩(江端英久)にあこがれているということを知って、彼女の親友(水原香菜恵)とたまたま行きがかり上仲良くなったハゲてしょぼくれた中年男(佐野和宏)があれこれやと処女喪失の世話を焼く。往年の初体験物と言ってもいいのだが、この映画のオモシロイところは、ヒロインが中年男の文字通り手を借りて寝技に持ち込み、憧れの人とやっちゃう展開。とにかく初体験は好きな人となのである。しかし、この映画がよりいとおしくなるのは、初体験のその後、ヒロインにとっては残酷な結末が、さわやかな優しさと一抹の哀しさをもってキッチリと描かれている終盤部分である。
物語を作ったのが女性(西田直子。「スワッピングナイト」は好きじゃなかったのだけど)だからか、ぶーやんという女の子の可愛らしさ、彼女と親友との女同士の力関係とか、彼女の初体験のその後のエピソードなど、いずれもとても好感が持てるし説得力も感じさせられる。テーマ曲であるサンバ音楽も、ラスト部分で小憎い使われよう。

ぶーやん役の絹田良美は本当に愛嬌があってカワイイ。行きずりながらぶーやんをほっとけなくなる(そして最終的に彼女から「勇気をもらう」)中年男が佐野和宏。彼の妻で今は若い男と暮らしているのが佐々木基子。
本多菊次朗氏は水原香菜恵(おっぱい大きくて羨ましいなぁ・笑)の不倫相手でもある同僚として冒頭から登場、絡みだけでなく*泳ぐ姿*も見せてくれます。ひたすらダメダメな妻帯者っぷりが絶品!!こうしてみると二枚目じゃん(失礼)な江端英久(@弟at兄嫁シリーズ・笑)と共演するシーンなどが見られて得した気分…。

(2003.7.19.)


-BACK-


不倫妻の淫らな午後

2003年、製作:セメントマッチ、配給:オーピー映画
監督:池島ゆたか、脚本:五代暁子
出演:佐々木基子、牧村耕次、本多菊次朗、望月梨央、月島のあ、竹本泰志

ヒロインはホームヘルパーをしている人妻である。夫(本多菊次朗)は会社の部下(望月梨央)と浮気をしていてもう三年にもなるのだが、ヒロインは全くそれに気が付いていない。娘(月島のあ)は1浪ののち大学生になり、学生生活(と彼氏との関係)をエンジョイしている。ある日、新しく担当することになった独居老人の名前と住所を見て、主人公はショックを受ける。それは彼女が結婚する前に長く不倫関係にあった当時の会社の上司(牧村耕次)だった。彼との関係に深く傷ついた彼女は、その傷を癒すために今の夫と見合いで結婚したのである。家に出かけてみると、彼は妻に先立たれ、子供達からも見放されて一人で住んでいるうえに痴呆が始まっていた。むろんヒロインのことは覚えていない。しかし彼女は、昔かなわなかった「好きな人の身の回りの世話をする」ことができることに喜びを感じ、かいがいしく彼の面倒を見る。こんな形であれ自分の夢がかなった、と密かな幸せをかみしめている時、彼の心臓の持病が悪化し、入院しなくてはならないという知らせを受ける。

しみじみとしたラブストーリー。なんといってもヒロイン役の佐々木基子が良い。自分を覚えていない昔の男に思わず「部長」と呼びかけるシーン、「修子です」とようやく下の名前を名乗るシーン、たぶん映画の残り15分から10分ぐらいじゃないかと思うけど、そのシーンを皮切りに私は映画が終わるまで泣きっぱなし。(試写室が乾燥していたせいだけではないと思う。笑)良くできている話なんだけど、とくにこの彼女の告白のシーンからエンディングまでがドラマチックで切なくて・・・いかん、書いていてもまた泣けてくる(笑)。相手役の牧村耕次もよく見ると若々しいのだけど(笑)身体の動かしかたから表情まで本当におじいさん。クライマックスでは彼の力でも泣かせられる。
伏線として、ヒロインと上司の過去の関係にだぶらせるように、彼女の夫と部下の不倫関係が描かれるのだけども、この対比も面白かった。傷ついて別れて見合い結婚、というヒロインとは少し違って、自ら「もう終わりにしたい」と告げる少し強い女の子。それに、その別れのシーンで、「姿の見えない人(奥さん)に嫉妬するのはもう疲れた」と言う彼女に対し、夫がぼんやりと「わかるような気がするな」(←たしかこんな感じ)と応じるのだけども、このシーンは、もしかすると夫はヒロインの過去と、彼女の心に巣くっていた男の存在を知っているのかしら?とも思わせて印象深かった。まあ深読みって気もするけど、こういう印象があったからこそ、最後の最後で描かれる夫婦の営みのシーンまで含めて切なく感じられたんじゃないかしら。
65歳でボケちゃってほとんど寝たきり、というのは無理な設定に思えるものの(定年が65歳の職場もあるくらいなので)それ以外はピンク的違和感もあまり無し。私は去年の感動作「OL性告白 燃えつきた情事」よりこっちのほうが好きです。池島監督ご自身がチラリとご出演。なんか笑えました。

大学生の娘がいるお年にはまだ見えないけども、ヒロインの夫役が本多菊次朗氏。妻にも浮気相手にも調子のいい人なのだが、同時に、ちょっと居場所がないような、満ち足りていないような切なさがあるのだった。(例の如く私の目が曇っているせいかもしれませんが。)娘役が月島のあ(母の若い頃との2役)。この年の女の子が父親の浮気に寛大でいられるとは思えないのだが、まあそれはフィクションとして、ちゃっかりしっかりした存在が面白かった。演じている月島のあ、新人らしいけどとても良い。(2003.6.19 東映ラボテックにて鑑賞)


-BACK-

姉妹ナース 桃色診察室

2003年、製作・配給:新東宝映画
監督・脚本:佐藤吏
出演:佐々木ユメカ、佐々木日記、紺野美和、松田信行、本多菊次朗、なかみつせいじ、新納敏正

智香子(佐々木ユメカ)は総合病院で看護婦をしている。永く付き合っていた彼氏(松田信行)に最近プロポーズされたが、いまひとつ結婚に踏み切れないでいる。彼女が気に病んでいるのは、昔家族を捨てて出ていった父親のこと。たとえ結婚したとしても、父親が突然出ていったように、突然愛が失われることだってあるかもしれない。そう考えるとどうしても臆病になってしまい、結婚に踏み出せないのだった。智香子のアパートに居候している、ちょっとルーズな妹のワカメ(佐々木日記)もまた看護婦である。個人医院に勤めている彼女は、妻子持ちの院長(本多菊次朗)ときままな不倫関係にある。最近、子供が産まれたために、彼の頭は家庭のことでいっぱい。わかっちゃいたけど面白くないし、寂しさを感じている。
生真面目な姉はそんな妹のことを心配し、妹もまた、姉の悩みを密かに気遣っているのだが。

目当てはもちろん、佐々木姉妹の共演シーン!実際の二人もきっとこんな感じなのかな、と思ってしまうくらいに間合いがナチュラル。ものぐさにティッシュをゴミ箱に投げ入れる(そして失敗する)妹を呆れて眺める姉とか、思いに沈んでいる姉にビールを差し出す妹とか、どれもほほえましく眺めてしまった。こうしてみると、本当にユメカさん、お姉ちゃんなんだなぁ(しみじみ)。これまで私の観た映画では、どっちかというとやんちゃな役柄が多かったもんな・・・。
映画自体は、生真面目で堅実な姉と、天真爛漫で甘えん坊な妹、それぞれのラブストーリーを丁寧に真面目に描いた作品。これもし西田直子脚本だったら、もっとイヤな感じの、姉妹間の確執を露わに描くとげとげした内容(→誉め言葉)になったんじゃないかとか思うのだけど、この映画は、とても爽やかで心地よく、時にちょっとファンタジックな瞬間さえある青春ラブストーリーなのだった。なにより、出てくる人がみんないい人(ダメダメな人はいるけど悪人ではない)で、自分なりに相手(もしくは自分自身)に誠実であろうとしている。そのせいか、観ていてほんわかと気持ちが良かった。
ドラマチックかつダイナミックな姉妹「競演」作とは言えないけれど(もしかして、そういうのはこれから!?)、ささやかな小品として私はとても気に入った。

本多菊次朗氏は妹の不倫相手。生まれたばかりの子供に首ったけで「パパでちゅよー」と赤ちゃん語で喋ったりしてます。映画の終盤、「誕生日」というくだりでの佐々木日記とのやりとりがなんとも言えません。ダメな男だけどどうも憎めなかったのは、このシーンにも見えるようなキャラクターの不器用さ(と演じているのが本多氏だから)のせいだったかもしれない。
あ、それから松田信行って・・・このひと劇団天然工房の人だと思うんだけど・・・TBSのアナウンサーになんとなく似てませんか。気のせい?(2003.10.5.新宿国際名画座)


-BACK-

不倫妻 愛されたい想い

2003年、製作:オフィス吉行、配給:オーピー映画
監督:吉行由実、脚本:五代暁子
出演:つかもと友希、片桐カナ、吉行由実、岡田智宏、本多菊次朗

ヒロイン(つかもと友希)はアンティークのバイヤーに嫁いで贅沢に暮らしている。もともとお嬢さん育ちで世間知らずな彼女は、優しいものの家を空けがちな夫(本多菊次朗)になんとなく不満と寂しさを感じていた。夫の海外出張中に学生時代の友人(岡田智宏)と再会した彼女は、自分で起業して気ままに稼いでいるらしい彼の奔放さに惹かれる。「プライベートビデオ」なるものを製作しているという彼の言葉に好奇心を抱いた彼女は彼と関係を持ちビデオに出演するようになり、ビデオに出演している他の女性たちとも関わって、それぞれのポジティブな生き方にも心動かされようになる。彼と一緒ならば自分らしく生きることができるかもしれない、そう思うようになる。

要するに「天真爛漫で世間知らずなので、甘い男の囁きに易々と乗って素人AVに出演する深窓の若奥様」を描いているのだが、映画は一応、そうやってヒロインが自分探しをする様子を描いている・・・ことになっている。らしい。エマニエル夫人か。(←古)
しかし私はこの「天真爛漫で世間知らずなかわいいヒロイン」に全く共感できなかったし優しい目で見守ろうって気にもなれかなったので、映画を観ている間中ものすごくイライラした。もしこの無知で軽いお嬢さんの大冒険が、皮肉を込めて描かれていたならば、ちゃんと映画を楽しめたと思うんだけど、それどころかものすごく好意的にファンタジックに描かれてるんだもんなぁ。このヒロイン、「お嬢様」という設定で許される範囲を超えて、ただ無知で不用心なだけだと思うんですが。(もしかしたらピンク映画にはステレオタイプな「純なお嬢様」像というのがあって、それに則った正しいヒロイン・・・であるのかもしれんけど)こうも辛辣になってしまうのは、私が女だからなのかしらん。
それに、「安定という名の退屈な平和なんてご免だ」とか何とか、いかにも中身のないことを偉そうにほざきつつ、やってることは素人AVという(しかもやくざに追われている)つまらん男がヒロインにとっての運命の男となるわけなんだけど、なんで彼女が彼に惹かれるのかも理解できない。(この男の内面も、甚だ中途半端にしか描かれていない)むしろ、こういう男に出会ったら、いくら昔の友人であっても、お育ちのいい女 性なら、まず「まあ、いやらしい。最低!」と思うもんじゃないのかしら。その葛藤を経て、それでも彼に惹かれてゆく・・・とかいう(ありきたりではあるけども絶対 必要な)過程を辿ったならば、私はそれなりに納得できた気がするのだけど。
そんなわけで、何から何まで大変不満の残った作品。自分探しをするかと思えたヒロインが結局また奥にひっこんでゆくラストも、余韻もへったくれもなく、「あっそう」と思ったぐらいなもんでした。

ヒロインのつかもと友希はとっても可愛い(あのラブリーな声は林由美香ではないかと思う。違和感なかった)。役者陣についてはみんな好印象。とくに印象に残ったのは、韓国人女性を演じていた吉行監督自身。そして、本多菊次朗氏・・・もうちょっと生かしていいキャラクターなのに、ヒロインの背景キャラでしかなくてもったいない。←もしかして、私が怒ってるのはこのせいか?(笑)(2003.10.15.)


-BACK-

発情家庭教師 先生の愛汁

2003年、製作・配給:国映=新東宝映画 製作:Vシアター135
監督:女池充、脚本:中野貴雄
出演:黒田笑、速水今日子、水原香菜恵、伊藤猛(謎の東洋人)、螢雪次朗、松江哲朗、川瀬陽太(風俗のボンクラな客)、小林節彦(喫茶店のマスター)、本多菊次朗(変な警官)、松原正隆、野上正義(路上の古本屋)、久保新二(米国大統領ジョー○・ブッシュJr.)、葉月螢(伊藤猛を追う某国のエージェント)、絹田良美(葉月螢の部下)

主人公(黒田笑)はイメクラで働く、気は良くて可愛いけどボーッとした風俗嬢である。たまたま入った喫茶店で、客同士の口論に巻き込まれてアジア某国の男(伊藤猛)に誤って頭を撃たれ、昏倒するものの、何故だか生きておりそのまま店を出てゆく。額に空いた風穴に気が付いてアイペンシルを突っ込んでぐりぐりしてみると、頭の中に残っている弾丸が脳味噌のどこかにぶつかって視界がスパーク。それ以降、物凄い勢いで哲学書や数学書を読みあさり始めるが、自分でもそれが何故なのかわからない。彼女はその後、とある哲学書を執筆した教授(螢雪次朗)の家に押しかけてその息子(松江哲朗)の家庭教師をしながら過ごしていたが、ある時、世界が滅亡の危機に瀕しているという某超大国の大統領からのメッセージが彼女の耳に響く。その声に従って自分のバッグを探してみると、謎の銀色の円筒形の物体が。その中には、世界の行方を左右する「大統領の指」が入っていた・・・。一方、某国の男もその「大統領の指」を探していた。じきに、彼は主人公の前に姿を現す。

まずは思い出話。私は学生時代に映画研究部というサークルに入っていた。そのため学生時代および大学卒業後しばらくの時期、もんのすごい勢いで自主制作映画を観まくっていたことがある。今もやってるかどうかわからないけど、その昔福岡では、各大学の映画研究部が製作した映画を持ち寄って上映する「シネマフェスティバル(通称シネフェス)」というささやかなイベントが市立美術館で行われていた。勢いだけで作ったちんけな特撮映画、青臭い心象風景を描いた学生独特の実験映画などなど、いずれも大変幼稚ではあったけどそれなりに面白く見ることができたし、今でも好意的に思い返すこともできる。
・・・そんなわけで、この「発情家庭教師 先生の愛汁」が、二十歳位の学生(with8ミリカメラ)によって作られた作品であり、先述の「シネフェス」で上映された映画であれば、もしかしたら私はこれをカルトな(←無責任で便利な言葉だ)快作と受け止めることができたかもしれない。だけどこの作品、商業的ベースに乗って作られ配給された大人の手による大人のための映画よね・・・??これで客に1800円も払わせていいのかねえ?
観た直後にはあれやらこれやら感想はあったはずなんだけど、もうどうでもいいっす。

あ、一つだけ思い出した。この映画の中で数式とか西洋哲学者の名前とかがズラズラッと出て来る。私は全然理解できなかったけど、間違いなく演じている役者も理解できていない。たぶん書いた張本人の脚本家も監督も理解していないんじゃないかなぁ。「それっぽく聞こえるように、とりあえず羅列しとけ」みたいな感じがしないでもなかった・・・。

役者は大変豪華だけどもほとんどが友情出演レベル。本多氏にいたっては画面が暗くて顔さえはっきり見えません(あれだけの登場時間とは!)。なお、終盤に登場する葉月螢の「ひとーちゅ!ふたちゅー!」という微妙なかわいらしいカウントの仕方がこの映画の見どころと言えるかもしれない。(2003.10.18. 新宿国際名画座)


-BACK-


痴漢電車 誘惑のよがり声

原題「タッチ&ゴー」
2003年、製作:セメントマッチ、配給:オーピー映画
監督:池島ゆたか、脚本:五代暁子
出演:愛田美々、山口玲子、望月梨央、柏木舞、本多菊次朗、神戸顕一、樹かず、銀治、平川直大、牧村耕次、池島ゆたか

東京都および近郊のJR・私鉄・地下鉄各沿線で痴漢被害が続出している。その影で暗躍する痴漢集団、suica(本多菊次朗、神戸顕一、樹かず、銀治)。刑事二人が彼らを追いつめるが、土壇場で柏木刑事(牧村耕次)はリーダー(本多)に刺されて死亡、榎本刑事(池島ゆたか)は殴られて意識を失う。
数年後、車椅子生活を余儀なくされていた榎本は、痴漢撃退・suica逮捕のためのおとり捜査官として、故・柏木刑事の娘で今は婦人警官の安奈(愛田美々)を抜擢する。彼女は、父の仇をとるべくおとり捜査官としての使命に燃えながら電車に乗り、suicaに立ち向かって行く。

suicaの面々が歌いながら登場するオープニングにグイッとひきこまれる。それぞれ上北沢、江戸川、阿佐ヶ谷、八幡という通称を持って、それぞれの得意技や個性も簡単に紹介する仕組みになっているこの始まり方は上々。だったのだけど・・・。
こういう軽やかなオープニングなのだから、観る側としては、ちょっとおバカなコメディかと思って期待してしまう。ところが開幕すぐに刑事が殺され、そんなコメディ気分が薄らいでしまう。最初のツカミでsuicaを楽しいヘタレなヒーローとして認識したはずなのに〜。彼らの楽しい活躍に期待した私はどうなる!(笑)そして物語半ばで一人の女性被害者(望月梨央)がレイプされるシーンにはちょっとガッカリしてしまった。
結局、コメディなのかシリアスなのか、どっちつかずのままで最後まで物語は進み、そこのところ合点が行かないままだった。「痴漢集団と熱血婦人警官の追いかけっこ(リーダーと婦警とは実は惹かれあっていたり)」というドタバタ喜劇に徹してくれたのなら、他愛ないけどもっと好きになれたかもしれないなぁ。そしたら「ゴールドフィンガー上北沢」本多菊次朗氏の大活躍もたくさん観られただろうし(笑)。
チョコチョコと笑いどころはあるのだけど、物語全体がそういう調子なので、私は“文句無しに爆笑!”はできなかった。出だしがとても良かっただけになんだか残念。

俳優陣はとても良かったと思う。池島監督が大変なもうけ役。主演の愛田美々はスラリとした脚が大変キレイだしキュートでした。(2003.9.30 東映ラボテック)


-BACK-