『未来少年コナン』に寄せて
注釈集#2
 
*1 キャンディーズ
3人の女性コーラスグループ。メンバーは”ラン”こと伊藤蘭、”ミキ”こと藤村美樹、”スー”こと田中好子で、デビュー当時の年齢は18〜19歳。1973年9月1日に「あなたに夢中」でレコードデビュー、爽やかなメロディと素直な歌い口調を魅力に、「年下の男の子」・「春一番」・「やさしい悪魔」・「微笑みがえし」などのヒットを飛ばし、日本中を席巻した。
そして人気絶頂の最中、「普通の女の子に戻りたい」という有名なメッセージで突然に解散を宣言。1978年4月4日、5万5千人のファンを集めた後楽園球場で最後の公演を終え、惜しまれつつ解散した。

 
*2『ニルスの不思議な旅』
スウェーデンの作家・セルマ・ラーゲレーヴの同名小説を基に制作されたアニメーション。
あらすじは、いたずら好きの少年・ニルスが小さな妖精(トムテ)に意地悪をしたため、魔法で体を小さくされてしまい、体を元に戻してもらうために、旅に出ると言うお話。
体が小さくなったとたん、動物たちと話せるようになり、ガチョウのモルテン、ハムスターのキャロットらと愉快なやりとりをしながら、不思議な冒険を続けて行くファンタジー。
NHK総合で1980年1月8日〜1981年3月17日までの全52話で放映された。制作はスタジオぴえろ。

 
*3『太陽の子エステバン』
原作:スコット・オディールの「黄金の七つの都市」を基に制作されたアニメーション。
あらすじは、スペインのバルセロナに住んでいた「太陽の子」と呼ばれる少年エステバンが、新大陸にあると言われる生まれ故郷・黄金都市に向かって旅をすると言うお話。
黄金に目のくらんだ大人達の妨害を乗り越え、新しい文明を築こうとエステバンと仲間のシア、タオの3人がさらなる航海にこぎ出していく、冒険ファンタジー。
NHK総合で1982年6月29日〜1983年6月7日までの全39話で放映された。制作はスタジオぴえろ。

 
*4『みんなのうた』
1961年4月3日から始まった、子供向けの歌を放映する5分番組。歌が流れ、その歌詞に合わせてアニメーションが放映される番組で、童謡や子供向けの歌が中心。最初の歌は北原白秋作詞の「あわて床屋」だった。NHK総合・NHK教育・NHK-BShiで現在も放映中。

 
*5『ドカベン』
水島新司の同名野球漫画をアニメ化。
”ドカベン”こと山田太郎の、鷹丘中学・明訓高校での野球生活を描いた青春野球アニメ。
圧倒的なパワーを持った山田は同校の主砲として、”男”岩鬼、”秘打男”殿馬、”小さな巨人”里中ら個性溢れる仲間と共に、甲子園で全国の強豪と熱い戦いを繰り広げていく。
フジテレビ系列で1976年10月6日〜1979年12月26日までの全163話という超ロングラン放映だった。制作は日本アニメーション。

 
*6『はいからさんが通る』
大和和紀の同名漫画をアニメ化。
大正時代、軍人の娘として育った主人公・花村紅緒は、名門女学校へ通うものの、剣術を得意とするお転婆なはいからさん。そんな紅緒の可笑しくて、ちょっぴり悲しい半生が描かれた物語。父親に勝手に許嫁を決められ、反発する紅緒だったが、やがて婚約者・伊集院忍の優しさに惹かれて行く。
朝日放送系列で1978年6月3日〜1979年3月31日までの全42話で放映された。制作は日本アニメーション。

 
*7 こども名作劇場『ペリーヌ物語』
フランスの作家・エクトール=マロの小説「家族とともに(En Famille)」(1893年)が原作。
あらすじは、父母を亡くした13歳の少女ペリーヌが、両親と確執のあった、織物工場を経営する祖父ビルフランの元を訪れ、身元を隠して祖父の元で献身的に働くうちに、祖父の心が開かれて行くと言う感動の物語。
フジテレビ系列で1978年1月1日〜1978年12月31日の全53話で放映された。制作は日本アニメーション。

こども名作劇場について
1970年「ムーミン」から1996年「家なき子レミ」までの約27年間、26もの物語を放映してきた番組枠。当初、スポンサーを冠名にして”カルピスこども名作劇場”でスタート。その後、スポンサーの変更等を経て”世界名作劇場”となる。
世界各地の古典児童文学をベースにアニメ化し、四季折々の美しい風景とそこで暮らす人々の人間模様を描き、見る人々の心を捉えたまさに名作劇場だった。放映当初は年間平均視聴率20%を超える人気番組だったが、年を経ると共に視聴率も低下し、諸般の事情により1997年に放映打ち切りとなった。

 
*8『銀河鉄道999』
松本零士原作の同名の漫画をアニメ化。
機械人間に母親を殺された少年・鉄郎が、謎の美女・メーテルと共に銀河超特急”999(スリーナイン)号”に乗り、機械の体を手に入れるために地球を離れ、遙かアンドロメダまで宇宙の旅を続けるという長編SFアニメーション。
列車の停車駅ごとに、様々な事件に巻き込まれる鉄郎。そして、その事件を通して宇宙・自然・人間について学び、成長していく鉄郎が描かれている。
自然や人間社会の様々な問題を取り上げ、重厚なテーマをストレートに表現した秀作と言える。
フジテレビ系列で1978年9月14日〜1981年3月26日の全113話で放映された。制作は東映動画。

 
*9『ヤッターマン』
タイムボカンシリーズ第2弾。ヤッターマン1号ことガンちゃんとヤッターマン2号ことアイちゃんと、ドクロベーの手下・ドロンジョたち泥棒一味が繰り広げる愉快な大騒動。
ドクロベー一味は、地球上のどこかにある大金鉱脈のありかを示した石(ドクロストーン)を手に入れようとしている。それを阻止するためにヤッターマンたちがメカを駆使して戦うのがストーリー。
様々なギャグやおもしろ可笑しいメカが登場し、子供たちの間で大流行した。とくに『ブタもおだてりゃ木に登る、ブー』の”おだてブタ”はあまりにも有名。
フジテレビ系列で1977年1月1日〜1979年1月27日の全108話とロングラン放映された。制作はタツノコプロダクション。

 
*10『西遊記』
中国四大奇書の一つである長編小説『西遊記』をアレンジしてドラマ化。
原作は、唐代の僧侶・玄奘(602-664:『西遊記』の三蔵法師のモデル)が自身の体験を記した『大唐西域記』を基に、明代の文人・呉承恩(15??-1582)が書き起こしたと言われているが、定かでない。成立は1570年頃と言われる。
あらすじは、三蔵法師が天竺【てんじく】へ経典を取りに行くために、旅をすることになる。三蔵法師のお供は、如意棒と金斗雲を操り、抜群の神通力を持つ孫悟空【そんごくう】、大食いで怪力の持ち主の猪八戒【ちょはっかい】、ちょっと陰気で物腰の低い沙悟浄【さごじょう】という3人の怪物達。行く先々で妖怪や化け物を退治し、やがては天竺にたどり着き経文を得るという波瀾万丈の痛快アクション物語である。
配役は、三蔵法師に故・夏目雅子、孫悟空に堺正章、猪八戒に西田敏行、沙悟浄には岸部シローという豪華メンバーであった。また、実際のシルクロードで背景のロケを行ったり、特撮を円谷プロダクションが手がけるなど、NHK大河ドラマの裏番組として非常に力のこもったドラマであった。さらに、ゴダイゴのオープニング曲(Monkey Magic)・エンディング曲(ガンダーラ)は大ヒットした。
日本テレビ系列で1978年10月1日〜1979年4月1日の全26話で放送された。

 
*11『コメットさん』
横山光輝の同名漫画をドラマ化したもので、1967年に制作放映された同名ドラマ(主演:九重佑三子)を10年ぶりにリメイク。
あらすじは、主人公・「コメットさん」が、魔法を使いながら彼女の周りで起こる様々な事件を解決していくというホームドラマ。乙女座から歯に変形するUFOに乗って「コメットさん」が、音楽教室の先生と歯科医の夫婦、それに3人の子供が暮らす沢野家にやって来る。その目的は、星の学校の卒業研修で「本当に美しいもの」を探すことであった。コメットさんは、手にしたシルバーバトンで魔法を使うことができるため、沢野家をはじめ、街の人気者に。
配役は、コメットさん役・大場久美子、沢野公平(音楽教室の先生)役・五十嵐喜芳、沢野佐和子(歯科院長)役・真屋順子。
TBS系列で1978年6月12日〜1979年9月24日の全68話で放送された。制作は国際放映。

 
*12『アルプスの少女ハイジ』
スイスの作家ヨハンナ・スピリの小説
「ハイジの修行時代と遍歴時代(Heide's Lehr-und Wanderjahre)」(第一部)(1880年)および
「ハイジは習った事を使うことができる(Heide kann brauchen,was es gelernt hat)」(第二部)(1881年)が原作。
主人公ハイジは孤児となってしまい、アルムの山に住む厳格で偏屈な祖父のもとに預けられる。そんな境遇の中、大自然の中で様々なことを学びながら、明るくのびのびと暮らすハイジ。そんな少女と山羊使いのペーター、フランクフルトの屋敷に住むクララらとの心温まる交流を描いたアニメーション。
フジテレビ系列で1974年1月6日〜1974年12月29日の全52話で、注7で紹介した”カルピスこども劇場”枠で放映された。 制作はズイヨー映像。

 
*13 宮崎駿
現代日本を代表するアニメーター、アニメ作家。
1941年東京都生まれ。1963年学習院大学政経学部卒。在学中は希望する漫画研究会が存在しなかったので、代わりに児童文学研究会に所属。
卒業と同時に東映動画入社。そこで高畑勲氏と親交を深める。その後東映動画を退社し、1971年Aプロダクション、1973年ズイヨー映像、後に日本アニメーションへ移籍。その間に『長靴をはいた猫』や『アルプスの少女ハイジ』、『未来少年コナン』などを手掛ける。
1984年『風の谷のナウシカ』が大ヒット。その後アニメーション製作会社「スタジオジブリ」を創設。『天空の城ラピュタ』(1986年)、『となりのトトロ』(1988年)、『魔女の宅急便』(1989年)、『紅の豚』(1992年)、『もののけ姫』(1997年)など次々とアニメ映画のヒット作を生み出す。
現在は2001年夏の公開に向けて『千と千尋の神隠し』を制作中。