スキー板をチューニングしよう!Part1


スキー板のチューニングというと、なにやら難しそうなイメージってありますよね。
チューニングというと「改造」みたいな感じがしますが
通常、スキー板の場合は「お手入れ」ということになります。

お手入れには大きな役割が2つあります。
@滑走面を整え滑りをよくする。
Aエッジを整えエッジのかかりをよくする。


@について
滑走面は使っているうちに傷がついたり、微妙にゴワゴワと毛羽立ってきます。
そうなると、雪面との抵抗が発生してスキーが滑らなくなってきてしまうので滑走面を薄く
一皮むいて、滑走面を新品のように復活させます。
また、滑走面に大きな傷がついている場合は補修材を使って傷を埋める作業をします。
Aについて
エッジの角度によって同じ板でもスキーの操作性が大きく変化します。
自分好みの角度に変えたり、使っているうちに丸くなったり欠けたエッジをまた鋭角にします。


そんなチューニングですが、自分でやるには道具を揃えたり場所や技術が必要であったりと
大変ですがお店に頼んでしまえば、楽ちんで正確。

しかし

・どこのお店に持っていけばいいのかわからない。
・お店に頼む場合もどうやって頼めばいいのかわからない。
・コースに「RACE仕様」「スタンダード仕様」などとわかれているが違いがかわからない。

なんて疑問が・・・・・。

当然、私もそのような疑問を持っていました。
この部屋ではこれらの疑問を解決していきたいと思います。


@お店選び
ARACE仕様とスタンダード仕様の違い
Bビベル角って何?
Cコンケープ、コンベックスって何?
Dストラクチャーって何?
Eチューニング回数には限界がある



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@お店選び

チューニングは人間がやるものですので、やはり職人芸的要素があります。
しかし、よい職人さんを探すのが一番難しいんですが・・・・。

機械加工を一部入れる店、すべて手加工にこだわる店といろんな所がありますが
一般量販店のお店のチューニングは、大量に数をこなすため細かい指定チューニングはできません。

言い代えれば、ほとんどの工程が機械だけで行われる流れ作業です。
ですので、こだわりのあるスキーヤーにはあまりお勧めできません。

そのような量販店のメリットとしては安い金額で行ってくれるのが特長です。

では多少高くてもよいが、よいチューニングをしたいって人はどうしましょう・・・・。

まず有名所ではスキーネットやスキーチャンネルにチューニング屋さんにリンクが
張られているコーナーがありますので、そこを尋ねるとよいでしょう。

スキーネット
http://www.skinet.co.jp/tuneshop/index.html

スキーチャンネル
http://www.skichannel.ne.jp/w/tuneup/index.html

もし近くになければ、上記チューニングショップに郵送で送るとか、持っている板のメーカー
出してしまうという方法もあります。
メーカーの中ではオガサカなど、とても丁寧にチューニングしてくれることで有名です。


ショップへチューニングに出すと1万円ぐらいの価格は普通です。
だいたいのお店は暇になる夏に割引キャンペーンをやっています。
そうすると普段よりもかなり安い金額でチューニングができますので要チェックです。


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ARACE仕様やスタンダード仕様の違い

一口でチューニングのRACE仕様、スタンダード仕様といってもあくまで目安です。
普段のゲレンデスキーでもRACE仕様のチューニングを好む人がいますし、その逆もいます。


では、一般的にどういったチューニングをRACE仕様、スタンダード仕様と分類しているのでしょう?

一般的には

   スタンダード仕様用 = 目的を問わずオールラウンド用の仕上げ
   RACE仕様 = カービング志向などの目的を持った滑り用の仕上げ

というような感じに仕上がります。
ですから、RACE用といっても別にRACE専用ではないんですね。


じゃあなんで、スタンダード仕様がオールラウンドなのか?
というと「スキー板を操作しやすい設定」だからです。

オールラウンド用にチューニングされた板というのは、ずらしやすく(ずれてしまうとは違います)
滑る場所やシチュエーションを選びません。
「チューニングの細かいことはよくわからないけど板の手入れをしたい」
「とにかく気持ちよくスキーを楽しみたい」

という方にとっては「オールラウンド向けのなんでも用」は都合がいいのです。
逆にRACE仕様というのは、一般でいうとカービング志向に強く振った仕上がりになっています。

簡単に言えば「エッジが立っている状態」

しかしエッジが立っていることで板がずれにくく、扱うにはある程度テクニックが必要です。
また、競技や技術選手権などの大会で使用する人の板は

不整地を滑る板 =ずらしやすいオールランド仕立て
整地を滑る板 =エッジをたてたカービング仕立て

というように何本もの板をゲレンデに持ち込んで板とチューニングの使い分けをしています。

1種類のスキー板でゲレンデを滑るのであれば、オールラウンド用がベターではないでしょうか?


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Bビベル角って何?


さて、ビベル角というと難しいですが、一言で言えば「エッジ角度」のことです。

ただスキー板のエッジには、2箇所調整する箇所があり、チューニング屋さんに
お願いするときにそれぞれ角度を指定することができます。

板の断面図を作成したので、それを見ながら解説をしていきます。



ベースビベル角について

ベースビベル角は、「エッジの下面」と「雪面との間」の角度
のこと。
ベースビベル角度を大きく設定すると、滑走時に板をたくさん傾けないとエッジが噛まなくなります。
逆に角度を少なく設定すると、少し傾けただけでエッジが雪面に噛むようになります。

初心者のすべりは、
基本的に「ずれ」で成り立っていますので、
エッジが噛みすぎるとひっかかり感が出て滑りにくく感じます。
ですので、ベースビベル角度を大きく設定します。。

逆にカービングでギンギン滑りたい上級者などで早めにエッジが
噛んでほしい人は角度を小さくします。

スキー板をシチュエーション別に使い分けないで1本で滑りたい人は中間の設定にします。

でも中間って何度なんだい?
ってなりますよね(^^;

一般的にはベースビベル角度を
1度より大きくすると「ずらし系」に向いている。
0.5度より小さくすると「カービング系」に向いている。
になると思います。

通常、チューニングショップで

「オールラウンド用でお願いします!」
というと、1度にしてくれることが多いようです。
ただし、これはお店によって考え方が違うため決まりはありません。



サイドビベル角について

サイドビベル角は、「エッジの縦面」と「雪面との間」の角度のこと。
ここの角度は、エッジが雪面に噛んでからスキーの切れに影響する部分です。

当然エッジが鋭角になっているほど、噛んでからはずれにくくなるのは言うまでもなく・・・。

初心者のすべりは、ベースビベル角で前述した通り「ずれ」で成り立っています。
一回雪面に食いついたら離れないというのは「暴走」の原因になりますので
初心者用の板は刃先を鈍角に(角度を大きく)します。

コブ用専用の板として使う場合などでずれを多様したい場合なども鈍角に。
逆にカービング用では鋭角にします。

ただし、エッジの角度というのは図を見てもらえばわかりますが
サイド角度+ベース角度
でエッジの角度になります。

ですので、どちらか一方の角度だけではなく、両方の角度を考慮する必要があります。。
ずれを大きく多様したい設定は、エッジ角度を90度にすることが一般的です。

ですので、ベースを1度にしたらサイドは自動的に89度となります。
もしベースを0.5度にしたらサイドは89.5度になります。

上記の2つはエッジがかかってからの特性は同じですが、エッジが噛む
早さ(傾け具合)が変わってくるわけです。

一般的にはエッジ角度を89度以下にすると、カービング特性が
強くなってくると感じる人が多いようです。

種類 サイド角度 ベース角度 エッジ角度
オールラウンド系 89度 1.0度 90.0度
89度 0.5度 89.5度
カービング系 88度 1.0度 89.0度
88度 0.5度 88.5度
※あくまで目安です。

よく新品の板をすぐにチューニングに出す人は、エッジ角度を自分好みに整える意味もあります。
新しい板は、何度に設定されているのかわかりませんからね。

またエッジの角度を鋭角にすると、すぐにエッジが丸くなってしまう欠点があります。
いくら角度をきちんとしたところで、刃先が丸くてはなんの意味もありませんから
鋭角設定の場合は、より細かいメンテナンスが必要となります。

エッジが鋭角の板は挙動がナーバスで滑っていて神経を使い疲れます。
個人的には、大会などに出るわけでもなくフリーでゲレンデを楽しむのであれば
89度1度が楽ちんでいいと思いますよ。



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Cコンケープ、コンベックスって何?


スキー板の裏面(滑走面)は、フラットなほど滑走性が素直になります。

「フラットではない」をいいかえると、車のハンドルのセンターがずれているような感じで
板がまっすぐ進まなかったり、直滑降時に板がキョロキョロしたりします。

ホットワックスを塗ったまま剥がさずに滑った時に板がキョロキョロしたことありませんか?

特にコンケープの時はエッジがひっかかりやすく、とてもナーバスな操作性になります。
逆にコンベックスの場合は、エッジのかかりが悪くなりずれずれの板になってしまいます。

実は、チューニングをする上で
滑走面がフラットに出ていないとエッジの角度を正確に出すことができません。

上の項で述べたように0.5度といった微妙な角度設定をするわけですから、
フラット出しがチューニング作業の重要なポイントです。

フラットになっていない=角度が正確にでていない。

と言い換えることが言えます。

チューニングから帰ってきた板のワックスをキレイに剥がした後、、
鉄定規などをつかってフラットになっているか確認してみるとよいでしょう。
(定規と滑走面の間に隙間ができて光が見えたらフラットではないということ)
お店の丁寧度を見ることができます(^^;





新品の板もフラットになっているかは微妙です。
工場の流れ作業で大量生産された板に、完璧なフラットを求めるというものは
なにげに酷なことかもしれません。

特に外国産板のフラットはほとんど出ていないと思ってもいいかも。

逆にオガサカなどは、買った状態でかなりよい状態で有名です。
オガサカは購入した時点で、ストラクチャーが入っていたりしますので新品時の
チューニングが必要ないという人もいると思います。

まあ例外もありますが、できれば新品の板もチューニングに出すことをお勧めします。
ただしちゃんとしたショップに!が条件です。


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Dストラクチャーって何?

チューニングをショップに頼むと「ストラクチャーはどうしますか?」
と聞かれることがあります。

スキーでいうストラクチャーとは、スキーの滑走面の裏についた細かい溝のことです。
ただ溝といっても、手で触ってはっきりわかるような物ではなく、
ワックスを塗った時に光の反射で微妙にシマシマになってるな〜とわかる程度の深さの溝です。
(滑走面が黒い板はよくわかりますが、柄がある板は非常にわかりずらい)

この溝がスキーの滑走性にかかわるのです。
溝の形には何種類もあり、オガサカなどは以下のパターンを採用していますね。


しかし・・・・。
実はスキーが滑るメカニズムは今だはっきり明確化されていないようです。
(断言系で書いてあるホームページもありますけどね)

いろんな説があり、どれも本物のような嘘のような(笑)
本物っぽい理論としては板と雪面の間に摩擦で微妙な水分が発生し、それが滑走性をあげるという説です。
これは氷の上を滑る理論と同じ理屈ですね。
ストラクチャーはその水を上手に排水してあげようというわけです。

厳密にいうとストラクチャー形状は、パターンによってスキー用途がわかれています。
(このパターンと用途の関係も、理論が解明されてないから真実は不明)


また、ストラクチャーが深すぎると、板がずれにくくなる傾向があります。
ですのでエッジ以外にもストラクチャーの深さもなにげに重要かも。


では、パターンはどれがいいのか?

管理人は、板の裏に大きな傷がついても、滑っている最中はさっぱり気がつかないぐらいなので、
ストラクチャーの区別などは正直よくわかりません(^^;

現実、オガサカの板は新品時にしっかりストラクチャーが入っていることで有名ですが
新しい板が発売されるたびにパターンが変わるということもシバシバ。
ということは結局の所、「何がオススメ」なのかずばり断言できないということなんだと思います。

結論としてストラクチャーは適度な深さでついてないと困るが、パターンはどれでもいいということでしょうか・・・・



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Eチューニング回数には限界がある


チューニングとは一番冒頭に記述しましたが

@滑走面を一皮むく。
Aエッジを研ぐ。

という作業をします。
当然、ストラクチャーも再度入れなおします。

ということは、滑走面はどんどん薄くなっていってしまうわけですし、エッジも減っていってしまいます。

では何回、チューニングができるのか?
それはメーカーによる板の作りや、ショップの技術や考え方で変わります。

極端な例ですが
あるショップは1回のチューニングで別のショップの2回分ほど剥いてしまったり・・・。

友人に実際にあった話なのですがyahooオークションで買った板をチューニングショップに
持ち込んだら、滑走面が薄すくなりすぎていて断られたなんてことがありました。

「滑走面の傷」や「エッジの丸まり」を気にしすぎて、チューニングに出しすぎるのも
問題ありかもしれませんね。



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