KOREAレポート


二泊三日の韓国旅行に行ってきました。基本的にはオタクなお友達と、韓国のオタクなお友達を訪ねるという内容なんすけど、今回は非オタクの女性・Yさんもおられまして、それならと女性は韓国お買い物ツアーを満喫することに。男性陣は毎度おなじみオタクツアーと相成りました。

さて、私の目的はロングツーリング用の革のブーツと革ジャン。ブーツはふくらはぎをしっかりカバーして、しかもきっちり締められるような編み上げタイプ。ファスナーがついていれば尚よし、という感じで。今着てる革ジャンは同居人のお下がりで、あちこちがでかいのでゴワゴワしてたりしまして、そんなワケで適度な余裕を持ちながらも身体にフィットするサイズで、防風効果の高いファスナー部分がダブルになっていて、袖口はマジックテープで調整ができる、或いはかっちりとしたリブ編みのもの。国内であればブーツは職人の店系というか、虎壱とかで購入できます。てか、つまり安全靴です。ジャンパーはバイク用品専門店に行けば、それなりの値段で機能性の高いものが買えます。でもせっかく韓国に行くなら、安くて高品質だと評判のものを買いたいと思ったワケですよ。

しかし現地のお友達にあちこち連れてまわってもらっても、唯一の女性同行者のYさんと街を歩いても見つかりません。気に入ったデザインのブーツは全て男性用で、女性用のブーツはデザイン性重視というか、ギアの上げ下げに耐えるだけの丈夫な皮を使ったものがないというか、そんな踵では単車には乗れません……てな感じで。こちらの主張に店の人らは大丈夫だ、バイクには充分乗れるとか言うんですけど、そんなん無理なんはわかってるので、結局買えませんでしたよ。オーダーできますとか言われても、皮の質そのものがアカンとか言うんですが、大丈夫とか言われたり(笑)。オーダーできますのお店ではYさんも靴を買おうとしてたんですけど、結局二人とも買いませんでした。

「この値段、この質、このデザインなら日本で買えないこともないんですよね。それなら荷物を増やすこともないかと……」
「そうやねん、私も。虎壱でやったらこの半額で丈夫な安全靴が買えるねんなぁ……」

ほぼ同じ理由で買い物をやめることにした二人は、店から脱出する機会をうかがうのですが、私ら二人とも店の奥の椅子で試着させられたりしてるので、簡単に店外には行けません。でもそこは泉州出身のワタクシですから、店のオッチャンを振り切るのと値切るのは私の役目です(笑)。食い下がるオッチャンに
「やー、この靴もとってもステキなんですけど、もっとステキで安いのがあるかもしれないから、他の店も見てきますね。もしもなかったら、ここに必ず戻りますから」
と、にこやかに言い捨てて、Yさんの腕を掴んで脱出。有無を言わさない強引な姿勢を誉めてもらいました。

革ジャンも探したんですが、ライダーズタイプは全て男性サイズのみ。標準よりちょい小さめの私にはデカイ。店の人に尋ねてみても
「女性向けのライダーズジャケットは、ソウルにはないですよ」
とか言われるばかりで、男性用の一番小さいサイズを試着してみたんですが肩と袖がオーバーサイズ。でも胴と胸回りは小さいという半端なサイズで諦めるしかなく。
「女性用のレザー製品て、基本的にフェミニンでドレッシーっていうか、エレガンス路線ですよね。よくよく眺めたら、ボーイッシュな女性っていないでしょう」
「そういえば、こっちの女性でショートカットの人は極端に少ないよね。さっきバイクに乗るって言ったら、やたらびっくりしてたし」
「やっぱり儒教の国だからかなぁ」
「良妻賢母、婦女子の鑑ってやつを尊ぶなら、そうなるかもね。実際、日本でも儒教精神が残ってる時期は運転免許を持ってる人は極端に少なかったし」
「だから、こっちはまだ女性ライダーが少なくて、グッズも少ないと……」
「なるほど〜」
結局、二人してボディブラシタイプの垢すりグッズ(約150円)を買い、私はTシャツ(約1800円)を買って、お買い物は終わりました。ブランドものを買うのであれば違ってたかもしれませんが、二人とも免税店には目もくれなかったので(笑)。

後でキムさんに尋ねたところ、やはり女性のライダーは天然記念物並みの珍しさだそうです。

 

◇◇◇

 

さて、次は韓国式垢すりエステ。日本円にしておよそ8200円で基本コースが体験できるということで、二人して出かけました。初日、空港まで来てくれたガイドさんの話では予約が必要だという話でしたが、地元の友人に連れて行ってもらった店は予約していてもしてなくてもオッケー。基本コースをオーダーして、本場の垢すりエステを初体験。

薄い木綿のガウン一枚をまとって、まず遠赤外線サウナに10分。横たわるタイプのサウナで、あんまり暑くない、非常にマイルドなタイプです。
「汗が出ないサウナですよね〜」
「こんなんで毛穴が開きますかね」
「こんなのだったら、いくらでも入ってられそう」
「ホンマ、居眠りしそう」
などと言っていると、店のオネーサンに連れられて次のサウナに。粗い麻の、筵のような布を頭にかぶせられ、座布団代わりにもう一枚麻布を持たされて、まるでパン焼き釜のようなサウナに。真夏の炎天下のように熱い床はまともに歩けず、麻布を強いて座っても始終姿勢を変えなければ耐えられない尻と足。笑うどころか話もできないような灼熱の中で汗をダラダラかきながら、早く迎えに来てくれないかなぁとか言いながら待つこと……わかりません。そんな余裕ないです。迎えに来てくれたオネーサンが天使に見えました。けど私らがいた時間はかなり短いらしく
「暑さは気力」
と、笑われました。つまり、心頭滅却すれば火もまた涼しといった根性が求められるエステなのかと、二人してちょっとげんなり。根性のいるエステなんか、エステとちゃうやんとか言いつつ。

その後は身体を洗って緑茶風呂に浸かり、再びサウナ。このサウナはごく普通のもの。それから待望の垢すり。擦ってくれる女性スタッフは黒の透ける素材のビキニ姿。ごしごし擦ってもらう度、垢が出てるのがわかるというか、肩とか擦ってもらってると顔に当たります。腕とか足とか位置を変えたりする時、まるでもののように扱われるのがおもしろいというか、日本では考えられない対応というか。垢すりが終わるとまた風呂。ヨモギ風呂、高麗人参風呂、黄土風呂を経てサウナへ。その後にオイルマッサージとキュウリパック。キュウリパックはすり下ろした塩味っぽい感じの、冷たいのを顔に貼り付けられ、そのままマッサージをしてもらいますが、やっぱり扱いはものみたいで、力も込められているので痛いのなんのって、もう、それは大変でしたよ。一応、全裸にタオルをかけてもらうんですが、いきなりタオルの上からオッパイ掴まれるみたいな感じです(笑)。胸をマッサージするとか、そんなんではなく、『オッパイ掴まれる』。これはYさんも同感だったらしく、二人して笑いました。あと尻の肉を掴まれるというのもあります。

そういや以前、韓国式垢すりマッサージの名を騙った性風俗業がありましたが、一般的な垢すりエステから発想を得たのだとしたら、その人は凄いと思いました。それくらい、色っぽいとかそんなんとは無縁やねんもん(笑)。や、オネーサンはそれなりに色っぽいのかもしれませんが、でも、目のやり場に困るわけでないし……。

この店ではオプションで足裏マッサージとか石膏パック(毛穴すっきりパックの巨大&強力版ぽい)とか、メイクとかチマチョゴリを着ての記念撮影とかもあるみたいで、次の機会があれば石膏パックに挑戦したいです。そして毛穴の汚れが張り付いた顔型を持って帰って、知り合いに見せびらかしてみたいと思います。

 

◇◇◇

 

そしてご飯。アジアのご飯は大好きですし、クセのある発酵食品と生卵以外は食べられるという、極端に食わず嫌いの少ない私としては全然オッケーな感じです。

初日、夜7時頃にソウル入り。お友達のキムさんと合流し、豚肉の焼き肉をいただく。肉も美味しいです。キムチも美味で、コラーゲンたっぷりの豚の皮も美味しい。肉をたらふく食べた後、締めにいただいた冷麺もそりゃもう、美味しくて。

翌朝は道ばたの店で朝食。ハングルが読めないなりに写真と上手注文。私は水餃子みたいなものをいただきました。あとスープとご飯、すいとんみたいなのとか、総勢6名で注文した色々な料理をつつきながら朝食を終了。昼は地元でも美味しいと評判のビビンバのお店へ。特製ビビンバをいただく。これも美味しい。サービスで出てくる各種キムチの中で一番気に入ったのは水キムチです。酸味とほのかな辛みが素晴らしい。夕食は安くて美味しい海鮮鍋の店で。ワタリガニとかアワビとかマテ貝、ミュール貝っぽいの、エビ、タコ等々を唐辛子たっぷりの塩味のスープで煮立てていただきます。これがまた美味しいんですよ、ええ。白いご飯をいくらでも食べられそうな味で。ぐらぐら煮立てて水分が適度に飛んでからご飯とキムチとヨモギを投入して、柔らかいチャーハンにしていただきます。これも美味しい。凝縮された魚介の旨みに唐辛子の辛さがぴったりで、そりゃもう、たまらんです。歩きながら焼き栗とか、皮がほのかな塩味のミニサイズの鯛焼きを食べたり。

最終日は雨で、午前9時30分にはお迎えが来るので、ホテルのレストランで朝食。松の実の入ったお粥をいただきました。これも美味しいんですなぁ。

 

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そんなワケで短いながらも充実した韓国旅行でした。現地の人が普通に行く店でご飯をいただくと、かなり安上がりな旅行になるのはアジアならではですね。


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