奈良は吉野の桜見物


4月15日の日曜日、奈良県吉野町まで花見に行きました。吉野の桜と言えば、遙か昔から花の名所として有名な場所でして、そういや、ガキンチョの頃に家族で遊びに行った写真が残っていたような気がします。

そして今年は私は愛車ルネッサを、同居人はBanditを駆って出かけました。

国道309号線を南下すること3時間。間もなく千本桜で名高い吉野だー!! という地点で吉野を目指すマイカーや観光バスの行列に紛れて動けなくなる。何とか渋滞で詰まっている自動車の横をすり抜けて桜のあるほうに向かう道に入ろうとしてみるものの、先はことごとく警察に規制されていて、観光バスしか通してくれなくて、しかたなく吉野の山の裏手に向かう県道からアプローチすることに……したら、途中で延々と林道が続いておりましとさ。いや、もう、これもいつものことなんすけどね。

相変わらず林道が苦手で、しかも人よりも運転が下手とかスピード出すのが怖いとか、道幅が狭くて対向車との接近を必要以上に意識してしまうし、若い頃は峠を攻めてた同居人に気を遣うしで、まぁ、疲れましたよ。だいたいルネッサは250cc でBanditは1200ccと、排気量がベラボーに違うのだから勝負にもならないんですけどね、やっぱり急な坂道をヒィヒィ登っていくのは大変です。

何とか中千本に到着。人、人、人、人、人……!! 見えるのは人の頭ばかりで、桜なんざ見えやしませんて、アナタ。途中で買ったコンビニ弁当を、これまた弁当を広げる人たちがひしめいている『勝手寺』の境内で食べていると、山火事を知らせるアナウンスが流れまして、上の方を見ると確かに山の風景には不釣り合いな煙がたなびいていまして、まぁ、すぐに鎮火したみたいなのでよかったのですけど、まるで朝のラッシュ寺の駅のホームのような人出となると、何があっても不思議ではないかもしれないなぁ……などと思ってみたり。

せっかく来たのだからと、上の千本を目指して歩き始めるも、あまりの人の多さにうんざりして1枚100円のねぎ焼きを食べる。水溶きメリケン粉に刻んだねぎをたっぷり、桜エビと鰹節をのせて焼いた、所謂『一銭洋食』ですな。直径15cmくらいに焼いたのを、二つ折りにしてかぶりつきますが、チープなくせに妙に美味しいです。昔は商店街の揚げ物屋さんとかお好み焼き屋さんとかたこ焼き屋さんでも焼いてて、お金のない子供が買ってたと思う。

そのすぐ先に鮎の塩焼きを売る店があって、鮎と桜味のソフトクリームを食す。桜味はこの季節の風物詩ですが、アレはどう考えても桜の葉の塩漬けの味やんなぁとか思いつつ、どんどん増える人手にうんざりして下山。現在途中、ため池の畔でひっそりと満開を迎えた山桜を堪能。1本だけの桜でしたが、それだけに美しさが際だっているように思いました。

その帰りにはお土産屋さんでこんにゃくの炊いたんを食べる。1本150円。関東炊き風に炊いてあって、芥子をつけていただきますが、これがけっこういけました。こんにゃくがモチモチ。どうも、吉野周辺はこんにゃくの産地でもあるらしい。

そうそう、帰りには国道310号線を通ったんですけど、河内長野の山の中の、所謂『峠』と呼ばれる付近には、大勢の走り屋さんがおりましたよ。愛車(少なくとも400cc以上のカウルのついた、いかにも早そうな単車)で素早く通り抜けていく人。知人友人と話している人。ギャラリーと呼ばれる人。10代からええ年をしたオッサンまで、トレーナーとブルゾンの人からレザーのレーシングスーツで決めてる人、おそろいのスーツで佇んでいるお兄ちゃんの二人連れ。世代も、それから多分職業とかもバラバラの人間が集まって、一生懸命走ってる姿ってのはなかなかに微笑ましいですな。参加する度胸も若さもないけど、でもちょっと羨ましくもあります。

帰りもそれなりに道は混んでいて、クラッチの切り替えとか半クラとか嫌になるほどしなアカンかったお陰で、帰り着く頃には左手がアカンようになってました。もう、握力が殆ど残ってませんよ、情けないことに。私が右利きだからってのもあるけど、左手の握力は元々弱くて、手も大きくないので前からクラッチ操作は結構な重労働で、町中を走る時は大変なんすよ。それに渋滞で微速前進とかあったからなぁ……。家に帰って、一休みにして、晩ご飯を作る気力がないので歩いて5分の場所にある店でラーメン食べて、風呂に入ってすぐに爆睡。翌日は筋肉痛。太股と脹ら脛。それから左手は親指の付け根から二の腕まで張ってる感じで痛いっす。

こんなんではアカンので、筋力トレーニングを再開します。100円ショップで買ってきた1kgのダンベルと握力強化用の握るヤツを用意しました。しかし、左手で握ってもびくともしないぞ、握力トレーニンググッズ(笑)。つーか、コップを持つのも難儀でございます。

北海道に行くまでに、多少は何とかしたいなぁ……。


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