南 紀


今年、最初のツーリングに行きました。本当は1月の末とか、2月に行きたかったんですけども、大阪というか、全国的に週末はお天気が荒れ放題でして、や、実際に2月の7日には伊勢まで初走りとか言いつつ、張り切っておったのですが、お陰様で雪に見舞われて断念したりしましたよ。今年は暖冬の割に、突発的な雪に泣いた冬でございました。

で、ようやく週末のお天気が確保されそうなので、和歌山県有田市の有田鉄道(今は廃線)を訪ねることに。廃線の線路をちょいと歩いてみようかなどと言いつつ、地図などを眺めて日曜日を心待ちにしておりましたら、土曜日は同居人が伊勢方面に出張することに。交通の便がイマイチの場所に行くとかで、バイクを出すことになったのですが、奈良から三重に出る山越えコースは積雪、又は道路が凍結する恐れがあるというか、チェーン規制が出てるとかで、こんな状況ではとてもバイクでは行けない。じゃ、海沿いということで、阪和道と国道42号線を乗り継ぎ、紀伊半島を一周して伊勢に向かうことに。翌日にまた和歌山に向かうのもアレなんで、土曜日、白浜よりちょっとだけ大阪よりの田辺で宿を確保して、日曜日に有田市へ行く手配を、木曜日の夕方にしました。白浜あたりの宿は、観光シーズンを迎えつつあるせいか、既に満室でキャンセル待ち。田辺市も似たような感じで、ようよう残り二部屋のホテルを確保。小さいながらも露天風呂(田辺温泉、湯質もなかなか)もあるし、一泊二食のセット料金だとお得だったりしたので、迷わず予約しました。

土曜日、早朝4時に同居人出発。私は諸々の用事を済ませて、昼の1時に出発しましたが、冬の間は乗れなかったルネッサをレッドバロン(全国ネットのバイクショップ)に持ち込んで、簡単に点検してもらいまして、そっから阪和道に。

一人で走るのは久しぶり。何しろ、2年、ソロのロングツーリングをしてなかったので、一人で走る時の緊張感がちょっと新鮮で、懐かしい感じでした。巡行速度は時速100〜110キロくらい。これでも高速道路では遅いくらいですかね。結構、他の車に追い抜かれたし。取り敢えず、阪和道の終点・南部まで。気温は高めでしたが、高速道路を走ると寒いっす。去年の暮れに買ったライダージャケットのお陰で、それ程ダメージはありませんでしたが、やはり指先はかじかみました。紀ノ川SAで指先をホットのお茶で温めつつ、休憩。ご主人様に連れられている大型犬に懐かれまして、黒い大きな犬に舐められました。犬も好きなので私は平気なんですが、飼い主さんが恐縮されました。

2時間ほどで南部に到着。仕事が予定よりも大幅に早く終わった同居人からの連絡で、田辺の宿から和歌山県の大塔町の道の駅に待ち合わせ場所を変更。実は、奈良県にも同じ町名の地区があり、同じ場所だと思い込んでいましたが、あっさりと違う町だと知ってショックを受けつつ、南部の降り口近くのコンビニで地図を確認。そこからは1時間少々かかる道程やなぁと思っていたら、同居人から連絡が入る。結局、田辺の宿で待ち合わせることに。南部から小一時間で到着したのですが、途中で曲がるところを間違えて、田辺の簡保の宿に出てしまい、振り出しに戻ったりしました。

一風呂浴びて、近所を歩いて、海を見て、夕食。献立は和定食の豪華版というか、和懐石という感じですかね。セットプランの夕食なのに、揚げたての熱い天ぷらが出たのは嬉しかった。あと、大根なますとイクラの和え物が美味しかったな。シメジと蛤の土瓶蒸しもありましたが、未だに土瓶蒸しという調理方法の利点が理解できません。なんかこう、中身が松茸でも貧乏くさい気がするのは、私らだけですかね。

翌朝、和風の朝食をいただいてから、有田鉄道に向かうため、山越えのコースを選ぶ。龍神村方面を目指して山道を行く。備長炭をテーマにした道の駅など、めぼしい道の駅には必ず立ち寄るダメライダー。本気の人は、道の駅なんて軟弱なとこには止まりません。奇絶峡とかダムとか渓流とかきれいでした。独特の、バスクリンをぶち込んだような翡翠色の水の色が何とも。流れの緩やかな場所ではゴムボートに乗って釣り糸を垂れている人もいました。あと、美山町では市民マラソンが開催されるようで、私らが走った時は準備の真っ最中で、美山町を抜ける頃にはそろそろ走行規制が敷かれる雰囲気で、その前に走り抜けられてよかったなぁと、道の駅で休憩している時、目の前の美山町に向かうライダーの群れを見て思いましたとさ。あの人ら、どうしたかなぁ……。

この辺りの山道では、既に梅の花は満開の時期を過ぎていて、でも、まだ桜には少し早いようでした。道の両側に桜が植えられている場所がいくつかあったので、満開の時に行ったら、さぞ壮観であろうと。

そして、お楽しみの温泉。明恵峡温泉で休憩。ここは人気スポットらしく、最初に行った時も、二回目の今回も人で一杯でした。風呂から上がって昼食を終え、吉備ICから阪和道に入り、家路に就いたのですけれど、この文章を書きながら、目的の有田鉄道に行きそびれたのを思い出しました。あ〜あ。桜の咲いた頃、こっそりと行ってみるかな。


奇絶峡(左写真上下)

途中の渓流(右下)

肉眼だと、木々の新芽もわかるのですが、写真やとイマイチわからんですね。

 

 


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