守護聖 in 特別養護老人ホーム


ジュリアスの場合
ジュリアスはシルバー人材センターに登録していて、地域の奉仕活動にも積極的に参加するんです。もちろん、ホーム内では常にリーダーシップを発揮して、そこんとこに逆につけ込まれてしまい、めんどくさいことは全て押しつけられる。でも、本人は全然気づいてなくて、いい気分、って感じでしょうか。目下最大のライバルはランディ。そして優雅な老後を送るティムカにも良くない感情を抱いているが、王族と貴族では喧嘩したところで分が悪過ぎるので、あえて気にしないようにしている。おそらく頂点爆発型のハゲになっているでしょう。

クラヴィスの場合
クラヴィスはね、やっぱり無気力で怠惰でどうしようもないのですが、遠見の水晶を駆使して占いなんかもするし、ホーム内の入所者の失いものなんかを探す。もちろん、徘徊中のルヴァの監視は彼の重要な役目ですね。なんせ、守護聖現役時代には世話をかけてるんだし。あの長髪で完璧な白髪。

ランディの場合
ランディは相変わらず爽やかで、ゲートボールの地域のシルバーリーグの覇者。もちろん、老女のアイドルですね。それからあのクセのない性格と笑顔で、官公庁発行の老人福祉事業パンフレットやポスターなどのモデルとしても活躍しそうだと思います。頂点爆発型と前髪前線後退型の複合ハゲになっため、潔くスキンヘッドにしました。

リュミエールの場合
リュミエールはホーム内の音楽サークルの主催者。芸術に造詣の深いおばあちゃんたちは、彼にベタボレ状態。そんな通俗的なことには興味などないふりはしてるものの、本人もまんざらではない。しかし今でも、何かとクラヴィスの世話を焼いていたりもするし、老人性痴呆症にかかったルヴァの姿に心を痛めている。もともと髪の色が薄いので白髪が目立たない。禿げてはいないけれども、でも少々減少傾向にある髪が密かな悩み。

オスカーの場合
オスカーは相変わらず、甘いささやきでホーム内の女性の心を鷲掴み。ただ、多くの人の耳が遠くなっているので、甘くささやくというより、明るく怒鳴りまくっている。あの鮮やかな赤毛も今ではすっかりピンク色。

マルセルの場合
マルセルは自慢の園芸の腕を生かし、盆栽や菊づくり、バラの栽培などで一名を馳せている。市役所や公共ホールの玄関には、彼の名札のついた植物がいつでも飾られている。もちろん、ホーム内に設置された花壇は、彼の独壇場である。ハニーブロンドもすでに白髪。でもサラサラよ、きっと。チュピは……何代目かのチュピ。或いはゼフェルに頼んでサイボーグ化してもらったメカチュピ。

ゼフェルの場合
ゼフェルはルヴァの介護係を任命されている。「クッソー、あのジジィ、どこへ行きやがった」とか、「ボケてんじゃねー」とか言いながらも、かいがいしくルヴァの世話を焼いている。お粥をフーフーと吹いてさましてあげて、ルヴァの口元にそっと持っていき、「きったねーなー。こぼしてんじゃねーよ」とか言いながらも、口をふいてあげるのね。かつての同僚から「守護聖の時にさんざん迷惑かけたんだから、当然だ」と言われたため、しぶしぶ介護をしているが、本人はまんざらでもないかも。ホーム内の修理係りも兼任。またボケ防止のためのコンピュータ教室、工作教室も主催する、意外といいヤツ。剛毛らしいのでハゲではない。プラチナブロンドなので、白髪になっても外観の印象はあまり変わらず、最も若い印象を皆に与えている。

オリヴィエの場合
オリヴィエは相変わらず独自の道を突っ走る。ホーム入居者の散髪とメイク、スキンケアは全て彼の指示のもと行われている。たまにボランティアでやってくる理美容学校の生徒をつかまえて、「いいわねぇ、若くって、お肌なんかツルツル。ね〜え、私に任せてみなさいよ。きれいにしてあげるからサ」とか言って、追っかけまわしているが、本人に邪な考えもなけりゃ、悪気もない。それだけに厄介な、元気ハツラツの美貌の爺さん。十分なヘアケアのお陰で、髪の量は変わらず。白髪は見事に染め上げていることでしょう。もちろん、あのメイクとファッションは今も健在。

ルヴァの場合
ルヴァは重度の老人性痴呆症にかかってしまい、ちょっと目を離すと徘徊に出てしまう。個人の特定能力は無に等しくなっているが、ゼフェルの言うことだけは素直に聞く。ごく稀に、かつての知性を取り戻す瞬間があるが、持続性がないので、現時点ではゼフェルだけがその事実を知っている。ボケてはいるが、かわいげのあるボケ方なので、ホーム内では愛玩対象となっている。ターバンの着用が長かったため、頂点爆発型のハゲ。白髪もほどよくまじっているが、ターバンで隠している。徘徊中に道路上の障害物にひっかかる可能性があるので、ゼフェルはターバンを取ろうとするが、本人はこれだけは聞き入れない。妥協案として、垂らす部分を短くし、ターバン内に完全にしまい込んでいる。

ヴィクトールの場合
ヴィクトールは退役軍人だし、将軍位まで出世しているので、悠々自適の老後を遅れるはずだった。しかし、現役時代に職務が忙しく、家族を顧みる時間さえ十分にはとれなかった。故に家庭は何度も崩壊寸前の状態に突入する。責任感の強い彼は、軍務も家庭もおろそかにすることはできなかったのだ。家族全員の努力により決定的な瞬間は回避されてきたが、退役と共に塗れ落ち葉扱いされるようになったヴィクトールは、自ら特別養護老人ホームへの入所を決心。シルバー人材センター登録済み。主に肉体労働系の作業につき、ホーム内の力仕事はお任せ。錆色の髪全体の70%ほどが白髪になり、なかなかのナイス老人。(もちろん、胸毛も白髪混じりさ)オスカーは彼に、密かにライバル意識を抱いている。

セイランの場合
セイランの毒舌ぶりは相変わらず。例の口調で周囲の人たちの感情を逆なでる逆なでる。1年のうち、10カ月近く放浪(徘徊ではない)の旅に出ているので、ホーム内での印象は非常に薄い。ランディと同様に、頂点爆発型と前髪前線後退型の複合ハゲにより、スキンヘッドにしている。ランディに比べて遥かに頭骨の形状が美しいので、何やら神々しい雰囲気が醸し出され、耽美派老女の崇拝&鑑賞対象となっている。また一部では、セイランの頭に触るとボケ除けになるというデマも……。

ティムカの場合
ティムカは当然、VIPルームに入所。上品で誰の話にも耳を傾ける、誰からも敬愛され、愛される老人。悩み相談におけるアドバイスも的確で親切丁寧。実はホームの陰の支配者とのウワサあり。頑固で融通がきかなくてしょーもないほど真面目で、しょっちゅう額に青筋立てて、リーダー風をふかしまくっている誰かさんより、頼りになると評判だ。浅黒い肌とスキンヘッドで、亡きユル・ブリンナーばりの色気と迫力のある老人となっている。マナー教室主催。

エルンストの場合
エルンストはホーム内のスケジュールや入所者の健康・生活管理など、かつての経験を生かした活動を展開中。その観察力と洞察力には、ホーム専任の医師も一目置いている。徘徊老人ルヴァの世話をするゼフェルには感謝してはいるが、あの言葉遣いと生活態度だけは頭痛のタネ。一生懸命ルヴァを理解しようとしている自分には心を開かないルヴァが、何故ゼフェルにだけ心を開くのかは、余生をかける研究となっている。100%白髪。お日様が当たるとまぶしいぞ。キラキラと銀色に光る髪(ああ、うっとり)。

商人の場合
商人はこの特別養護老人ホームのオーナー。しかし立場を隠して一般入所者と共に生活している。その理由は、今後ますます進むと思われる高齢化社会での、新たなビジネスチャンスを掴むという、人生最後の野望達成のため。この行動は本人の野望の他、既存の老人福祉事業の充実のためにも、ホームでの生活や体験は十分に生かされているとのこと。「えーやん、えーやん、おもろいねんから」が口癖。若い頃から人間関係で苦労したせいか、天然のスキンヘッドとなっている。オリヴィエと仲良しなので、頭皮を様々な化粧や装飾品で飾っている。「目立ったもん勝ちや」という、商業惑星独特の感性と言動で、周囲を爆笑の渦に巻き込んでいる。ホーム内喜劇サークル主催。


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