狂乱の一夜の真実

ももきちと王立図書館司書の最強コンビが、炎のオスカーご乱心の真相を暴く!!


ももきち、関係者に直撃インタビュー

も;「あーーっ、向こうからジュリアス様が!!ジュリアス様、今回も話題の中心におなりですね」

ジュ;「……そのような不愉快な話題に答える義務はない。失礼する」

も;「おーーっと、かなり頭にきてるようです。青筋が数え切れないくらい出てますねー。
   おっ、あそこにいるのネギ背負った鴨、オスカー様!!」

オ;「お嬢ちゃん、このオスカー様に何か告げたいことがあるようだな?」

も;「ええ、そりゃ、もぉ。オスカー様、馬のかぶりものを着て、
   ジュリアス様の前でカラオケを熱唱したそうですが、その理由を是非、聞かせてください」

オ;「フッ、いい質問だな、お嬢ちゃん。俺はジュリアス様に忠誠を誓っている。
   しかし忠誠というものは目に見えないものだろう?
   もちろん、ジュリアス様は形あるものしか信じられないような方ではない。
   それは俺もよく知っているさ。
   だがな、時には形のない熱い思いを見える形にして相手に贈ることも必要なんだ。
   だから俺はジュリアス様の愛馬のように、いつでもつき従う気持ちをああいう形で表現したんだ」

も;「さっきジュリアス様にインタビューした時は、不愉快な話題に答える必要はないと言ってましたよ」

オ;「わかってないな、お嬢ちゃん。ジュリアス様は照れてらっしゃるのさ。
   立場上、あからさまに喜ぶのは問題だと判断されて、ああいうつれない態度をとってらっしゃるんだ。
   じゃぁな、俺はこれから仕事があるから、これで失礼するぜ、お嬢ちゃん」

も;「……」


 

信頼できる情報筋の談話

「……守護聖同士の親睦を図るために開かれた会合が、聖地に混乱を招くような結果に終わったことを、私は残念に思っています。特にジュリアス様がお気の毒で……。ジュリアス様に忠誠を捧げているオスカーのことですから、嫌がらせや冗談であのような行為に至ったとは思われません。……ええ、きっと本気なのです。これ以上ないくらいに。けれどオスカーは気配りが上手でないと言いますか、考えが浅いと言いますか……はっ、私はなんという、ひどい言葉を口に……。申し訳ありません、今の言葉は忘れてください。そう、オスカーはジュリアス様のことを思う余りに、我を失ってしまっただけなのです。ですから噂されているように乱心したわけでも、ジュリアス様に反旗を翻したのでも、救いようのない間抜けな本性をさらけ出した……はっ、申し訳ありません。今の言葉も忘れてください。あれ以来、オスカーが上機嫌なのは良いことだと思うことにしています。それにジュリアス様の忍耐によって争いごとが生じなかったことも、不幸中の幸いと言えるでしょう。けれどジュリアス様のことを考えると、お気の毒で胸がつぶれてしまいそうです。今回の事件はきっと、ジュリアス様にとって『飼い犬に手を噛まれた』といったものなのでしょうね……はっ、申し訳ありません。私はそんな、オスカーが犬畜生並みだとか、それ以下だとか、考えなしの種馬だなんて思ってはいません。ええ、そんなこと、一度も考えたことはありません。ええ、本当に、一度も……」

 

聖地宮殿 広報課の公式発表

「執務時間外の事件について、広報課は一切関知しないことにしている。よって、本件についての詳細を知りたい者は、当事者に直接問い合わせること。尚、光の守護聖ジュリアス、炎の守護聖オスカー両名は、聖地を混乱に陥れた事実の引責として、1週間の謹慎及び、反省文の提出を申しつけるものである」


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