月 夜 の デ ー ト 2 「ホントだよねー。オリヴィエ様とランディ様ともデートしたんでしょ? どんなお話を聞いたの?」
「オリヴィエ様は故郷のこと。なんかすっごい田舎で寒い星みたい。ランディ様は両親の話。身分違いの恋をかなえたとか何とか……。あ、セイラン様って女嫌いで有名じゃない。その理由らしき話を聞いたんだ。なんか、マジで好きになった女の人にふられちゃって、それ以来恋愛恐怖症みたい」
「けっこう、神経細いのね。口が悪いからわかんない。ルヴァ様は弟さんの話で、エルンストさんは親友の話をしてくれたっけ」
「えーっ、エルンストってば、アンジェを誘ったのー?」
「どうして、そんなに驚くのよ、レイチェル」
「アイツってば学生時代から女に興味がないし、ガリ勉だったから友達いなかったんだよ。アナタの言ってる親友くらいしか親しい人間がいなかったから、てっきりホモだと思い込んでたんだ」
「うーん、話を聞いた限りではかなり親しそうだったから、アヤシイかも……。無遠慮な人だけど、憎めないって感じだったもの」
「あんまり近づかないほうがいいかもしれないよ。リュミエール様やティムカ様は家族の話だったよ」
「ヴィクトール様は以前いた軍隊であった出来事」
「マルセル様とも夜の庭園に行ったんでしょ? どんな話を聞いたの?」
「覚えてないの」
「えーっ、どうしてー?」
「緊張してて……。だって、マルセル様って電波系みたいだから、夜に二人きりで庭園にいると、恐い目にあうかもしれないって考えちゃって」
「マルセル様が電波系なんて、それ、どういう意味?」
「うーん、今度話すわ」
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