「WHEELS・OF・FIRE〜クリームの素晴らしき世界  CREAM 1968年発売

スタジオテイクとフィルモアイーストのライブライブテイクの2枚組アルバム。
クライ・ベイピーペダルが印象的な「ホワイト・ルーム」から始まるが、圧巻は、 なんと言っても2枚目のライブに入っている「クロスロード」だ。デルタブルー スの伝説的ブルースマン「ロバート・ジョンソン」の幻の一曲だが、計算つくさ れたようなアドリブは、ロックギターリストのバイブル的存在。コピーをするに は以外と難しい。ジンジャー・ベイカーのドラムパターンとのコンビネーション で、半拍ウラの音を表に感じてしまう場合があるので気を付けたい。それにして も時代こそ変われど、ギターの迫力は誰もが舌を巻くはず。これぞクラプトン。 音的には、ギブソン、ハンバッキングのピックアップで、当時良く使用していたSGだろうか。そ れにしてもこの3人(エリック.クラプトン,ジャック・ブルース,ジンジャー・ベイカー)のラ イブは凄い!!クラプトンにとって何時も必死のセッションだったのだと思う。クリームでギター リストにお勧めはこのアルバムだが、クリーム全てのアルバムが勉強になるはず。当時クラプトン の得意な甘い「ウーマン・トーン」が炸裂してる。是非聞いて欲しい。

「BLIND・FAITH」  BLIND・FAITH 1969年発売
クリーム解散後、天才キーボーダー、スティピー・ウインウッドなどと結成したス ーパーグループで、全体的にはウインウッドの音楽性が強く出ていて、クラプトン は少々控えめだ。ギターソロももう一つ冴えが見られない。バンドのギターリスト としてのアンサンブル指向のギターに重点をおいていたのか、音楽的に試行錯誤の 状態だったのか、クラプトンにしては、ちょっと不満の残るアルバムだと思う。
ただ、今後コンサートで良く演奏される「マイ・ウエイ・ホーム」や「プレゼンス ・オブ・ザ・ロード」が入っているのでファンなら買いの一枚か?このスーパー・ グループは、この一枚で解散してしまう。

「ERIC・CLAPTON」  ERIC・CLAPTON 1970年発売
サザン・ロックに傾倒していったクラプトンは、デェラニー&ボニー、レオン・ ラッセルなどのアメリカ南部ミュージシャンの協力を得てこのアルバムを完成さ せた。それまでの「CREAM」のクラプトンをイメージすると肩すかしを喰う けど、現在のクラプトンの原型となるアルバムだと思う。レオン・ラッセルがス タジオに遊びに来た時のジャムセッションから始まるこのアルバムは、実にポッ プに仕上がっている。この当時から、クラプトンのギターがギブソンから、フェ ンダーに変化していった。個人的に、このアルバム好きです。「ブルースパワー 」とか「レッド・ワイン」は、曲自体カッコイイと思う。

「LAYLA」  DEREK&THE DOMINOS 1970年発売
音楽雑記にも書きましたが、私が最もクラプトンの影響を受けたアルバムです。
クラプトンのギターのルーツであるブルースから、当時影響を受けていたサザンロ ックまで幅広い音楽をフィチャーしています。オールマン・ブラザーズのディア ン・オールマンもギターとして参加しています。「リトル・ウイング」は、ジミヘ ンのカバーですが、原曲とは違った泣きのギターで盛り上がってます。
クラプトン の18番になっているブルースの王道「HOVE.YOU.EVER.LOVED.A.WOMAN?」やスピ ード感あふれる「WHY.DOES.LOVE.GOT.TO.BE.SO.SAD?〜恋は悲しきもの」のディ アンとのギターバトルは最高です。ロック好きの人には是非聞いてもらいたいアルバムです。

「OCEAN BOULEVARD」  ERIC・CLAPTON 1974年発売
ドミノス時代から手を出し始めたヘロインで、ジャンキー同様になってしまった彼 を、友情によってカムバックさせた前のアルバム「RAINBOW・CONCERT」も感動的だ が、残念ながら、ギター・ワークの切れが悪かった。ファンとしては、心配してい たが、翌年のこのアルバムで完全にクラプトンは蘇った。一曲目の「マザーレス・ チルドレン」のスピード感あふれるメロディアスなスライドギダーで、まずぶっ飛 び、5曲目のボブ・マレーの曲「アイ・ショット・ザ・シェリフ」でレゲエまく り、8曲目の「レット・イット・グロウ」で、作曲家クラプトンの凄さを感じる。 ボーカルをメインに作られた作品だが、スライドギターの魅力をここで再認識させ られた。また、ギターってただ長く弾けば良いってもんじゃないと痛感させられる。

「E.C・WAS・HERE」  ERIC・CLAPTON 1975年発売
「THER'S・ONE・IN・EVERY・CROWD」と言うレゲエ色が強いアルバムの後に発売された ライブアルバムだ。ブルース中心にまとめられたこのアルバムは、クラプトンの ブルースに対する愛情が満載。クラプトンファンなら涙もんのブルースギターが 初っぱなから炸裂する。6曲目の「ランブリング・オン・マイ・マインド」、7 曲目の「ファザー・オン・アップ・ザ・ロード」に至っては、これぞクラプトン という素晴らしいリードギターを聞かせてくれている。ただ、ジョージ・テリー のサイドギターは、いまいちかな。私よりも巧いけど・・・。当たり前か。

「NO・REASON・TO・CRY」  ERIC・CLAPTON 1976年発売
ボブ・ディランやザ・バンドの面々を迎えて、ロックナンバーを中心とした作品 になっている。3曲目の「サイン・ラウングウィッチ」は、ボブディランの作品 で、なんと、クラプトンとディランがデュエットをキメている。7曲目の「ダブ ル・トラブル」は、オーティス・ラッシュ作のブルースナンバーだが、ブルース ・ブレカーズ時代を思い起こさせるような渋いソロがたまらなくイイ。ザ・バン ドと言うと彼らの解散コンサート「ラスト・ワルツ」で、「ファーザー・オン・ アップ・ザ・ロード」を余裕で弾くクラプトンに対して、多少緊張ぎみのロビー ・ロバートソンの表情が忘れられない。

「SLOW・HAND」  ERIC・CLAPTON 1977年発売
彼のニックネームをそのままタイトルにした作品。現在でもステージで良く演奏 されるJ.J・ケイルの曲「コカイン」から始まるこのアルバムは、気負いのな い彼の存在の大きさがうかがえる。名曲、「ワンダフル・トゥナイト」もこのア ルバムにフィチャーされている。左のジャケット写真は裏側のものだが、あえて それを載せたのも、当時彼の愛用の黒のストラド「ブラッキー」ではないかと思 われるからだ。「ブラッキー」って3本のギターの良いところをそれぞれ取って 一本にした改造ギターなんだよね。写真で、セレクトスイッチの位置を確認した いのだがよく見えない。やっぱりミックス・セッティングなのかな。

「MONEY・AND・CLGARETTES」  ERIC・CLAPTON 1983年発売
1987年「BACKLESS」、1980年「JUST・ONE・NIGHT」、1981年「ANOTHER・ TICKER」をリリースした後、長い間在籍したRSOレコードを離れ、クラプトン自 信が設立した「ダック・レコード」からの心機一転アルバム。映画「クロスロー ド」でも渋いスライドギターを聞かせてくれたライクーダーが参加した1曲目の 「メイク・ア・チェンジ」。アコースティク・ギターが色っぽい6曲目「プリテ ィガール」(この曲、一生懸命コピーしました)、チョーキングが印象的な8曲 目「クロスカット・ソー」など、クラプトン未だ健在っていう感じ!!こじんま りまとまった感じのアルバムで、感電するほどの曲やギターソロはないけど、結 構気に入っています。

「BEHIND・THE・SAN」  ERIC・CLAPTON 1985年発売
プロデュースしたのは、フィル・コリンズだが、その内容にレコード会社からク レームがでて、3曲がヴァン・ヘイレンでお馴染みのテッド・テンプルマンがプ ロデュースした曲に差し替えられたらしい。この頃、ギター・シンセやデジタル ・エフェクトを使用しだした。これは、ギターリスト「スティーブ・ルカサー」 からの影響らしい。アルバムの中で、一番聴き応えのあるのが6曲目の「フォ ー・エブァー・マン」で、ギターの魅力を再認識させてくれる。クラプトンなら ではの1曲だ。最近、柳ジョージがカバーして、車のCMで使われている曲です が、あれ聞くと1曲フルに聞きたくなってしまうのは私だけでしょうか。

「AUGUST」  ERIC・CLAPTON 1986年発売
ポール・ニューマン主演の「ハスラー2」の主題歌「ザ・ギフト」で始まるこの アルバムは、クラプトンの音楽性の幅の広さを感じさせられる。彼の奇跡の中で ブルースと言う観点から大きく逸脱したアルバムのように思えるが、私は、この アルバムで彼の音楽性の底の広さと大きさを感じさせられた。今回もプロデュー サーは、フィル・コリンズだが、前回に増して二人のロック魂が炸裂した作品に なっている。ティナ・ターナーが参加した「ティアリング・アス・アパート」、 ギターが素晴らしい「ホールド・オン」、YMOのカバー「ビハインド・ザ・マ スク」などポップなサウンドを聞かせてくれる。私の大好きなアルバムの1つだ。

「JOURNEYMAN」  ERIC・CLAPTON 1990年発売
このアルバムのゲストプレーヤーの顔ぶれが凄い。ジョージ・ハリスン、フィル ・コリンズ、ダリル・ホール、ジム・ケイルトナー、ロバート・クレイなど、豪 華メンバーを迎え、ロックンロール、リズム&ブルースをペースにしたタイトな アルバムになっている。3曲目の「バッド・ラブ」は、現代版「レイラ」で、最 初のリフが何とも印象的だ。また、途中に「バッチ」風の一面を覗かせ、クリー ムとドミノス時代を彷彿させるような曲になっている。また、別れた奥さん「パ ティ」の事を歌っていると言われる名曲「オールド・ラブ」は、やってくれたぜ クラプトン!っていう感じ!!ファンなら感動もんのギターを聞かせてくれる。

「24NIGHTS」  ERIC・CLAPTON 1991年発売
ロイヤル・アルバート・ホールで24回に及ぶコンサートを行った時の模様をま とめた2枚組ライブ・アルバム。彼のライブ・アルバムは久々で、たっぷりリー ドギターを聞ける喜びが爆発!!すぐに買いました。クリーム時代の名曲「バッ チ」から始まり、ブルースセッションあり、オーケストラとのセッションありと 色々楽しめる。特に、ブルースセッションでの参加ミュージシャンにバディ・ガ イ、アルバート・コリンズ、ロバート・クレイ、ジィミー・ボーンと蒼々たるメ ンバーを迎えている。それにしてもクラプトンのブルース・ギターを聞くと、何 故か心が落ち着く。心地よい響きは、貫禄ですね。



「UNPLUGGED」  ERIC・CLAPTON 1992年発売
プラグ・インしないと言う意味のアルバムタイトル通り、アコースティク・サウ ンドだけの作品。グラミー賞でいくつもの賞を独占して話題になった。天才ブル ースマン、ロバート・ジョンソンなどブルース曲のカバーや、クラプトンの作品 「レイラ」などもしっとりと聞かせてくれる。「ティアーズ・イン・ヘブン」 は、不慮の事故で亡くした愛児の事を歌っている名曲だ。落語で真打ちと言うも のがあるが、クラプトンは、正に真打ち。私なんかが真似して、同じ事をやろう としても、余裕や間などがまるっきり違う。このアルバムは、説明などいらな い。一家に一枚はあっても良いアルバムだ。是非聞いて欲しい。

「FROM・THE・CRADLE」  ERIC・CLAPTON 1994年発売
タイトル「ゆりかごから」と言うように、彼自身を大きく育てたブルースに敬意 を表した全曲カバーのブルースアルバム。原曲を忠実に再現したいと表した通り マディの「スタン・ディン・ラウンド・クライング」などは、曲の途中のかけ声 までも真似している。ブルース入門の人、ノスタルジーに浸りたいブルース好き の方に最適。もちろんギター・リストにも勉強になる一枚です。エルモアあり、 フレディ・キング、マディ・ウオーターありで私は参りました。こんなアルバム 作ってみたいと昔から言ってたものねクラプトン様・・・。