Clapton主な使用ギターの歴史
バンド名 使用ギター
ヤドバーズ フェンダー・テレキャスター
ブルースブレーカーズ レスポール・スタンダード58年型
クリーム レスポール・スタンダード58年型
SGスタンダード63年型
ファイアーバードT
ES−335TD63年型
テレキャスター・カスタム

ブラインド・フェイス ES−335TD63年型
テレキャスター・カスタム
ファイアーバードT
デェラニー&ボニーソロ レスポール・カスタム57年型(ブラック)
ストラトキャスター54年型(ブラウン・サンバースト)

デレク&ザ・ドミノス ストラトキャスター54年型(ブラウン・サンバースト)
レスポールTV

それ以降 ストラトキャスター57年型(ブラック)
ストラトキャスター(ブラウン・サンバースト)
テレキャスター(オールド)
ES−335
エキスポローラー
テレキャスター75年型
ストラドキャスター・クラプトンモデル・ブラッキー
マーチン000−28
マーチン000−42
マーチンD−28
グレッチ・ランサー
ドブロ(マーチン)
など

クラプトンが初めて手にしたギターは、ホイヤーのアコースティクギターだったそうだ。一見ガッ トギターなのに、鉄弦が張ってあったという変わったギターだったらしい。その後、ケイのダブル ・カッタウエイをおばあちゃんに買って貰った。それがバンドを始めるきっかけになったと言う。

ヤドバーズに入って、ギブソンはよく弦が切れるからテレキャスターに持ち替えたとインタビュー に答えているが、自分でもあまり覚えていないようだ。

ブルースブ・レーカーズ時代は、クリームのリハーサル中に盗まれたと言う幻のレスポールを使用 していた。現在のハード、メタルを含めてロックギター・サウンドの典型ともなったオーバードラ イブ、サスティーンによるギターサウンドを確立したのは、このギブソン・レスポールとマーシャ ル・ビルトイン・60Wアンプのコンビネーションから生まれたのだ。この当時のブリティッシュ ロック系のギタリストにも多大な影響を与えたというのも、あのジェフ・ベックが、このサウンド を聴いてテレキャスターから、レスポールに持ち替えたと言う逸話がある程だ。

クリームでも、このセッティングでレコーディングされている。その次に手に入れたというサイケ デリック・ペイントをほどこされた61年SGは、クリーム時代のメイン・ギターとなった。ま た、ステージでは、ES−335も多く使用されていたようだ。この当時のアンプは、もちろんマ ーシャルで、ステージでは、当時のPAの環境からマーシャル200Wを好んで使っていたらし い。これは、38センチSPをマウントした”モンスター”タイプではなく。サラン・ネットの上 に100とプレートされたオールド・タイプの物らしい。

ブラインド・フェイスに入って、ギターは、ストラトのネックをジョイントしたサンバースト・テ レキャスター・カスタムを使用し、全米ツアーでのアンプは、フェンダー・ディアル・ジョーダン (JBLスピーカー)やハモンド用のレスリー147ロータリー・スピーカーなども使用していた ようだ。

ディラニー&ボニー
のツアーに参加したした当時は、主にギブソン・レスポール・カスタム57で あったが、彼らとソロアルバムを作る時期から、ギブソン系からフェンダー系に変わってしまう。 インタビューで、ジミ・ヘンドリックスが亡くなったと同時にストラトに持ち替えたのは意識的な 彼へのトリビュートだったのかと言う質問に、「ああ、そうだったと思うよ。彼がこの世からいな くなってしまった以上、誰か取って代わる奴がいてもいいんじゃないかと思った。だが、最終的に 決心がついたのは、スティーブ・ウインウッドがストラトをプレーしているのを見た時だね。俺は いつでも彼を尊敬してきたんだ。彼が、これだと思ったものなら、俺は追随する。」と語ってい る。

デレク&ドミノスを結成したツアー中に、ナッシュビルの楽器屋で、当時はまだ安かったオールド のストラトを何本か手に入れた。一本がせいぜい300〜400ドルだったと言う。現在のフェン ダージャパンでも、その値段では良い物だと手に入れられないのに・・・。その中の3本からと記 憶していたのだが、インタビューでは6本から良い所をピックアップして作り上げられたハイブリ ットギターが「ブラッキー」だと語っている。このブラッキーについては、また次回書いてみたい と思います。アルバム「LAYLA」は、ジャケットの裏の写真があるように、サンバーストのス トラトを使っていたようだ。

それ以降は、ご存じのように、フェンダー・ストラド系を主に使っている。特に「ブラッキー」は 彼のトレードマークになっていたが、ステージなどではもう引退している。そこで、フェンダー社 がエリック・ラプトン・シグネイチャー・モデルを制作した。これは、サスティン効果を得る為に レースセンサー・ピックアップになっている。本家「ブラッキー」と持った感じが同じらしい。ク ラプトンに言わせると、本当にブラッキーの音を忠実に再現させたいなら、アンプをマーシャルか フェンダー・チャンプのどちらかを使う事だと言っている。彼が、シグネイチャーモデルをそのア ンプに繋げたら全く本家「ブラッキー」と変わらない音が出せるとも言う。私でも出せるだろうか と自信が無い今日この頃・・・。

元祖BLAKYIE
左の写真は、1985年に来日した時のクラプトン所有ギ ターだ。一番左にある黒いギターが元祖「ブラッキー」 だ。画質が悪いので良く見えないかもしれないが、ボディ 横の塗装がはげかかっている。
上にも書いたが、「ブラッキー」は、数本のストラドを良 い所を組み合わせて作られた物だ。インタビューでブラッ キーの事を尋ねられ、「元々、確か6本のストラトだった けど、これには、それぞれ凄いパーツが付いていてね。最 高のネック、最高のピックアップ、最高の全てさ。それぞ れのギターは、もう使えなくなる寸前だったけど、で、そ れらのパーツを集めて1本に完成させた物なんだ。まぁ、 フランケンシュタインが出来上がるようにね。」と答えて いる。
右は、「ブラッキー」ボディの裏側。
ほとんど、塗装が剥がれてしまっている。トレモノ・スプリングは5本全 て張られスプリング・カバーは外されたままになっているようだ。これ は、私も真似をして5本止めにしている。したがって、トレモノは使えな いが、クラプトンと同じなら我慢。我慢。
左は、ピックアップ部分のア ップ写真。
ピックアップ・ネジの錆が凄 い。また、バーの手あかが印 象的だ。
私が、いくら弾いてもこんな 手あかが付かないのは何故?
やっぱり、弾き方が並じゃないのかな。それとも何か使 っているのかな。
右は、ペグ部分のアップだが、出ました!!クラプトン のトレードマーク6弦ペグ脇のタバコの焼け跡。ここに タバコを刺して弾く姿にシビレタ人も多いのでは。私 も、真似してタバコを刺すけど、貧乏性の私は、どうも もったいなくて、焼けこげが付くまでは我慢できない。 ぎりぎりで外してしまう。もう少しお金持ちになったら やれるかな。
「ブラッキー」のネックは57年製、ボディは、56年 製だと思われる。ピックアップや各パーツの年代は不明 だが、今までに何度も交換されている模様だ。
1973年の「レインボー・コンサート」頃からステー ジ、レコーディングのメインとして使われていたらしい が、85年の「ライブエイド」を最後にステージからは 引退しているという。