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 この夏も旅を重ねました。イネや畑を見学する旅でしたが、そんな中で、「碌山美術館」に寄ってみたくなりました。以前に2度行ったことのある、なつかしい場所です。JR中央線の穂高駅で降り、朝早く、まだ観光客の姿が殆どない静かな町を歩きました。
 久しぷりの美術館は、ずいぷん広くなっていました。昔は、確か建物がlつしかなかったように記憶しています。
 碌山の作品をじっくり見ました。「女」という有名な作品の前では、「本当に好きな彫刻だ」と言っていた友人を想い出し、その人の分までも見てきました。絵はがきを送ったことは言うまでもありません。
 新しく出来た建物の入り口では、こんな言葉を見つけました。

自然はその美を各人の掴み取りにまかしてゐる。手の大なる人は多く取り、小なる人は少なく取る。
孤雁
 また立ち寄ったガラス工芸品店のご主人には、「旅に出たら本物に出会うことです」と教わりました。



『百姓は越境する』山形・置賜百姓交流会+大野和興
社会評論社(1991)270P(2000円十税)

 7月のはじめ、山形県置賜地方のィネを車を連ねて見ました。そして、次の日開かれたフォーラムには、元気なお百姓さんがたくさん集まりました。
 そのフォーラムのパネラーの中に、百姓交流会の世話人の黒澤さんがいました。彼は開口一番、「百姓交流会は政治結社である」と言いました。なんと新鮮な!そしてこんな事をいう人がいまもいることに私は感動しました。話を聞きながら、興味を持ち、昼食の時、たまたまとなりになったのを幸運と話をききました。
 その中で出てきたのが、この本です。『「国際化時代」の農と食』の中で出版されている本なのだと知りました。お米の販売手数料の中に、この活動費が含まれています。まさに越境し、外国での活動をしています。この政治結社の活動をぜひ知って下さい。



『谷津田小宇宙』写真・文中野耕志
家の光協会(1998)(2500円十税)
 旅をしていて、車中から谷あいの田んぼを見て、なつかしさを覚える人は、多いのではないでしょうか。小さな谷筋の田んぼがすぺて自分の田で、その上水もきれいだったら理想的、こんな田でできたお米は食ぺてみたくなりますね。
 本書は、大都市に近い、千葉県北西部の谷津田、そこの四季を撮った、美しい写真集です。
 豊かな自然があり、そこには、生き物がいて、小宇宙を作りあげている、その姿がページをめくる毎に感動を与えてくれます。
 時々手に取り、谷津田のすぱらしさと大切さを感じとりたい本なのです。

higan.GIF  今回の絵は、「ヒガンバナ」、別名「曼珠沙華」です。
 電車の中から、あぜ道に咲くこの花を見るのは、楽しいものです。葉は、花が散ったあとに出てきます。大学では、日当たりの悪い、大きな銀杏の下でひっそり咲いています。

 それでは、また。
 高木 俊江

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