現在の不況、激変する環境、恐ろしく不安定な日常。僕は別に経済にも環境にも日常にも満足していないので、そんなものどもがバンバン変わっていくのは別にどうでもいい。実際、現在の生産法とか認識とか文化とかが最善なんじゃないし。でも変化のスピードと同化するのは実は容易だが、何か悲しさが残る。
たぶん、自身の同一性が常に脅かされているのが理由だと思う。自身が何者かの定義が安定しないままで、次々と状況が変化する。乗り切れないとカンタンに死んでしまうから、手段とか方針を実際には自由に決められない。恐らく、こういうのが悲しさの正体だ。
悲しくならずに済む方法は、変化しない自分の核を強固に持つこと。それを持つには、安心して所有できる財=個人固有情報=エピソード、夢、思い出、感性、なんかを持ち続けることだ。こういうのは外界の状況がどうあろうとに関係なく持っていられる。なんて言ったって記憶だから。最期まで自分と一緒に連れて行けるのも、こんなもの位だろうと思うし(誰も解らないけど)。ノスタルジーは武器になり得る。