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2009年03月05日(木) 17時59分

鹿児島大、医療ミスで昏睡状態 一部手術を当面中止東京新聞

 鹿児島大病院(鹿児島市)は5日、2月に実施した70代男性患者の心臓手術に際し、人工心肺装置の取り扱いをめぐる医療ミスで脳に送る血液に空気が混入、男性が重い脳梗塞になったと発表した。男性は現在も昏睡状態が続いている。

 鹿児島大病院はミスを受け、人工心肺装置を使う手術を緊急時以外は当面中止した。マニュアルの見直しやセンサー設置などの安全確保策を取るとしている。

 同病院によると、2月23日、男性の左心室の弁を人工弁に交換する手術を実施。弁交換を終え人工心肺装置を外す際に、臨床工学技士が装置の血流をコントロールする鉗子の一部を外すのを忘れ、脳に送られる血液に空気が混入した。

 日本体外循環技術医学会のガイドラインは、空気の混入を防ぐため人工心肺装置の「貯血槽」に血液量を監視するセンサーを設置するよう求めているが、同病院では目視だけで確認していた。

 記者会見した高松英夫院長は「患者の家族には事情を説明し、謝罪した。起こり得るミスを防ぐ手だてが不足していた」と陳謝した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009030501000688.html