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2009年03月05日(木) 17時26分

小3投げ落とし殺害に無期懲役 無罪主張の男、横浜地裁東京新聞

 川崎市のマンションで2006年、小学3年の男児を投げ落とし殺害したとして、殺人罪などに問われた無職今井健詞被告(44)=川崎市麻生区=の判決公判が5日、横浜地裁であった。木口信之裁判長は、今井被告の責任能力を認め「理不尽な動機に基づく通り魔的犯行で、社会に大きな不安を与えた」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。

 木口裁判長は動機について「経済的に追い詰められ、家庭がうまくいっていない自分の境遇に引き換え、幸せそうな家庭をねたみ、不幸な思いをさせようとした」と指摘。「男児殺害で達成感を味わい、さらに2件の投げ落とし未遂事件を起こした身勝手な犯行」と断じた。

 公判では責任能力が激しく争われたが、木口裁判長は「人目に付きにくい場所を選び、入念に下見するなど計画的だった」と述べ、心神喪失を理由に無罪を訴えていた弁護側の主張を全面的に退けた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009030501000473.html