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2009年01月13日(火) 15時22分

渡辺喜美氏、会見で「離党届」と「声明文」を読み上げ(全文)産経新聞

 渡辺喜美元行革担当相は13日、離党届提出後の記者会見で、離党届の全文と同時に自民党執行部に提出した「声明文」について読み上げた。渡辺氏の発言は以下の通り。

【写真】実は「ベストドレッサー」にも選ばれていた渡辺喜美氏

 本日、自由民主党の離党届を提出してまいりました。文面は「政治家としての義命により、自由民主党を離党いたします。12年にわたり政治活動の場を提供してくれた自由民主党に、心から感謝をいたします。ありがとうございます」。以上が離党届であります。

 同時に、離党についての声明文もお届けをいたしました。「今日、国家の衰亡は激しく、人心は倦み、社会経済は混沌の中にある。繁栄を築くには何十年もかかるが、繁栄を失うのは一年もかからない。今、求められるのは政治家自身の覚醒、すなわち真の為政者としての崇高なる政治信念を、魂を込めて国民に訴えかけることである」

 「先に私が麻生総裁あてに出した7つの提言、すなわち早期解散と危機管理内閣、定額給付金の撤回と地方自治体による使い道の決定、各省天下りあっせんの総理承認と渡りあっせんを承認した政令の撤回などについては、麻生総理大臣において黙殺、ないし否定された。とりわけ、麻生総理が天下り公認政令の撤回を明確に否定したことは、麻生内閣が霞が関守旧派の代弁者であることを露呈させた。麻生発言は天下りを根絶すべしという国民の声を完全に無視し、この国が相変わらず官僚主導の国民とは断絶した政治を続ける表明に他ならない」

 「100年に一度の危機に際しては、100年に一度の政治体制を構築して事に当たらねばならない。官僚内閣制から、真の議院内閣制への転換を図り政治主導と地域主権を先取りした非常時対応策の実行が必要である。危機に臨んでこそ、政治家の真価は問われる。今こそ為政者は党利党略を廃し、至純な、熱烈な情緒と精神をもって国家と国民のために命を燃やす時である。全国の志の高い人と連携し、国民の手に政治を取り戻す国民運動を起こしていこうと決意した。自由民主党所属の国会議員の中には、私と共通の危機認識をもつ同志が少なからずいると思う。今回は私の単独行動であるが、志を同じくする人々とは今後ともさまざまな機会を通じ、党派を超えた協力を深めていきたい」

 「麻生政権の維持を最優先にした政治判断こそが、官僚内閣制という国家の根本問題の解決を先送りさせ、ついには国家と国民を、収拾のつかぬ悲劇におとしめることになることを私はおそれる。現下のような非常事態にあって、為政者が確固たる主義信念に基づいた政策によって政治を動かさぬ限り、国家と国民は崩壊の危機を免れない。私は政治家としての義命により自由民主党を離党する」

 以上であります。

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