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2009年01月02日(金) 10時25分

2ちゃんねる、“言論の自由なき日本”を見捨てた?産経新聞

 世界最大の掲示板といわれる「2ちゃんねる」が、ついに日本を捨てた−。2009(平成21)年が明けて間もない正月2日、2ちゃんねる開設者の「ひろゆき」(西村博之)氏が、自身の公式ブログで“2ちゃんねる譲渡”を報告した。譲渡先はシンガポール共和国の法人と思われる。(立川優)


■警察・裁判所を除けば、些末な出来事?


 2ちゃんねる譲渡が報告されたのは、「ひろゆき日記@オープンSNS」。2日の午前7時7分の刻印で、「2ch譲渡」と題したエントリには「そんなわけで、去年は何度も海外出張して2ch譲渡の打ち合わせをしてたりもしてたんですが、ようやく譲渡完了しましたよ。。と。」と書き込まれている。また、「現在のヒトコト」として 「ズサー」という言葉と、2ちゃんねるを象徴するアスキーアート「モナー」を添えており、書き込み時間の「21(年)1(月)2(日)7(時)7(日)」という反復・ぞろ目のアナグラム設定は、「ひろゆき」氏の“大したこと無いよー”的な表現のようだ。

 譲渡先は「PACKET MONSTER INC. 」とされており、これについての詳細な説明はない。ただ、2ch.netのドメインを所有しているのはwhois上でもシンガポールの「PACKET MONSTER INC. PTE. LTD.」となっており、形式上だが2ちゃんねるの所有権が「ひろゆき」氏の手を離れた。2ちゃんねるの所有権はこの数年、匿名書き込みをめぐる中傷・削除問題や損害賠償請求訴訟の点から幾度も“譲渡のうわさ”が流れていた。

 また、書き込みを保存するサーバー自体はアメリカ合衆国にあり、従来、2ちゃんねるガイドに添えられていた「書き込み削除の最終責任は管理人ひろゆきにあります。 」という表現自体も削除されていることから、訴訟などの諸問題を解決するための“仮想法人”への“仮想譲渡”である可能性が濃厚だ。ただ、今回の“外国への譲渡”が、書き込みをめぐる名誉棄損訴訟や法務省、警察庁など“ネットを取り締まる”官庁にも相当の影響を与えると思われる。

 2ちゃんねるは1999年、当時流行していたアングラ掲示板の“避難所”として設立された。「スレッドフロート式」と呼ばれるシステムが特徴で、新しい書き込みが多い掲示板(スレッド)、つまり“ネット上でもっとも盛り上がっているスレッド”ほど自動的にページトップに浮き上がる仕組み。ADSLが登場し、インターネットが常時接続時代に入った2000年、佐賀県で「西鉄バスハイジャック事件」が発生し、容疑者の少年が「ネオむぎ茶」という固定ハンドル名で2ちゃんねるに“犯行予告”を書き込んでいたらしいことから脚光を浴び、同年、Yahoo! JAPAN(ヤフー!ジャパン)にも登録され、国民的な人気サイトとなった。

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