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2008年12月31日(水) 23時30分

ガザ空爆 イスラエル、仏の停戦提案を拒否 地上戦への構え解かず産経新聞

 【カイロ支局】パレスチナ自治区ガザ地区の空爆を続けているイスラエルのオルメルト首相は31日、治安閣議で、「ロケット弾攻撃が続いているのに停戦はできない」と述べ、戦闘を継続する姿勢を鮮明にした。フランスなどが進めるイスラム原理主義組織ハマスとの暫定停戦案を拒否したものと受け取られている。

 フランスはクシュネル外相が、ガザ地区への人道支援物資搬入のため48時間停戦を提案した。しかし、イスラエル側は「軍事作戦を継続する」としてこれを拒否。同外務省はその理由について、「ハマスが砲撃をやめる明確な保証が欠けており、この提案は非現実的だ」と述べた。一方、ハマスの報道官も「攻撃と(ガザ地区の)封鎖をやめれば検討する」と停戦案に否定的な姿勢を示した。

 イスラエル軍は31日、引き続きガザ地区を空爆したほか、予備役の人数を2500人増やし、地上戦への構えをちらつかせている。ロイター通信によると、これまでのパレスチナ人の死者は385人に上った。

 こうした情勢下、欧州連合(EU)は30日、パリで開いた緊急外相理事会で、近く閣僚級の代表団を現地に派遣することを決定。サルコジ仏大統領は1日、訪仏するリブニ外相と会談した後、週明けにイスラエルを訪問する予定で、仲介に積極的に乗り出す構えだ。

 停戦に向けた国際社会の動きも活発化しており、ブッシュ米大統領は30日にパレスチナ自治政府のアッバス議長と電話会談し、「持続的な停戦」のあり方を話し合った。国連の潘基文事務総長も米、ロシアなどと協議した。

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