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2008年12月31日(水) 08時02分

L&G 会長ら十数人立件へ 組織的詐欺の疑い 年明け本格捜査産経新聞

 全国約5万人から総額1000億円超の資金を集めたとされる健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー」(L&G、破産手続き中)の出資法違反事件で、L&Gの波和二(かずつぎ)会長(75)らが、平成18年夏に経営破綻(はたん)の状態に陥っていることを認識しながら、その後も元本保証や配当を約束して出資を募っていた疑いが強いことが30日、分かった。

 警視庁などの合同捜査本部は18年夏以降の資金集めが詐欺行為に当たると判断。波会長ら十数人について組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑での立件に向け、年明けにも捜査を本格化させる方針。

 これまでの調べでは、L&Gは13年ごろから、「3カ月ごとに9%(年36%)の利息を支払い、満期(1年)には元金を返還する」などと、元本保証をうたった1口100万円の「協力金」の募集を開始。会員が支払った金額や勧誘した人数に応じて会員をランク付けしてピラミッド型の組織を築き、競争をあおりながら、新たな資金集めを繰り返してきた。

 しかし、19年1月になると、利息の支払いを一方的に停止。各地で開催するバザーやインターネットサイトで買い物ができる独自の疑似通貨「円天」での支給に切り替えた上、「来年2月まで出資の解約には応じない」と通知した。

 捜査本部は昨年10月、出資法違反(預かり金の禁止)容疑でL&G本社や波会長の自宅など59カ所を家宅捜索。押収資料を分析する一方、波会長ら幹部から事情聴取を進めてきた。

 その結果、18年夏に開かれた社内会議で「配当が払えない」などと報告されていたことが分かった。その後も配当を続けたが、出資金を配当に回す自転車操業だったとみられ、本来は配当できない状態だったという。捜査本部は、波会長ら幹部が18年夏にはL&Gが破綻状態にあると認識していたとみている。

 また、事件にはL&G幹部らのほか「GA(グランドアーク)」と呼ばれる最高位ランクの会員も関与した疑いがあるとみて、一部の立件を検討している。

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【用語解説】エル・アンド・ジー(L&G)

 波和二会長が昭和62年に設立。当初は布団や健康食品の販売を手掛けていたが、平成13年ごろから、高配当をうたい出資金を募った。食品や貴金属などと交換できる独自の電子マネー「円天」を発行。社名は「レディース&ジェントルメン」の頭文字からとった。18年6月期の売上高は88億円。波会長の親族が社長を務めるDVD再生機販売会社など十数社のグループ会社があった。

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