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2008年12月31日(水) 21時28分

バイオ燃料は食料と両立を 農水省、世界に呼び掛け中国新聞

 農林水産省は三十一日までに、農作物などを原料とし、石油の代わりとして世界的に生産量が増加しているバイオ燃料の利用に当たっては、食料供給との両立を最優先とするよう、日本として国際社会に呼び掛ける方針を決めた。同省の有識者会議がまとめた報告に沿った。

 バイオ燃料をめぐってはトウモロコシなどの穀物を原料とした場合、食料価格を上昇させる恐れがあり、主要国は二〇〇九年の首脳会議(サミット)に向け国際基準づくりに取り組んでいる。議論に食料輸入国である日本の立場を反映させる。

 有識者会議の報告は、バイオ燃料について「温室効果ガスの排出抑制やエネルギー供給源の多様化につながる」と評価する一方、原料に農作物を使った場合、食用としての需要に競合する恐れを指摘。(1)食用にならない稲わらや間伐材などの利用促進(2)食料供給とのバランスを欠いたバイオ燃料の生産や輸出の抑制—などを求めている。

 またバイオ燃料のための農作物栽培に伴い、生態系に悪影響を及ぼす熱帯雨林の伐採などに対する歯止めの措置を基準に盛り込むべきだとしている。

 主要八カ国と中国、ブラジルなどは〇六年、基準を検討するための機関として「国際バイオエネルギーパートナーシップ」(事務局・ローマ)を設置。〇九年七月にイタリアで開くサミットに向け、実務者レベルで検討を進めている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812310208.html