記事登録
2008年12月31日(水) 13時26分

原爆死没者調査、行き詰まる中国新聞

 広島市が1979年度から続ける「原爆被爆者動態調査」が行き詰まっている。原爆投下から1945年末までの死没者数確定が大きな目標だが、被爆63年を経て情報や資料はほとんど入手できない。現在進める「第7期」の調査のとりまとめは3月末に迫る中、報告書作成も難しい状況だ。市は事業所や病院、学校などの名簿が残っていないか、協力を呼び掛ける。

 市は、死亡届や罹災(りさい)者名簿などの資料を手掛かりに原爆死没者の名前を積み上げ、同一人物の重複を消す地道な作業を続ける。3—4年を1期とし、それぞれの段階で確認できた死没者数をこれまで計6期にわたって報告書にまとめてきた。

 前回の第6期(1995—98年度)は一定の成果があった。被爆者援護法施行(95年)に伴う特別葬祭給付金の申請書などを基に、45年末までの死没者を1032人積み増した。しかし、99年度からの第7期では大幅な積み上げにつながる資料はない。市の原爆死没者名簿への記載依頼ぐらいしか手掛かりがなく、年間でも10人程度。2007年度末の段階で第6期と比べ約140人増にとどまっている。

 市原爆被害対策部の国本善平部長は「調査の困難さこそが、原爆のすさまじさだと感じる。一人でも判明する限り続けるのが使命」としている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812310020.html