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2008年12月31日(水) 13時30分

【今年はネコ年だった】ひこにゃん、スーパー駅長、ネコカフェ産経新聞

 日だまりで、こたつの中で、一日の大半を寝て過ごしているようにしか思えないネコたち。しかし西日本では近年、そのネコたちが元気に走り回っている。子年だった平成20年、ネズミの影は薄く、ネズミを追いかけ回していて干支に入れなかったといわれるネコが、勢い余って飛び込んだかのような1年だった。

 ●タレント並み

 平成19年に8カ月にわたって繰り広げられたイベント「国宝・彦根城築城400年祭」のキャラクターとして生まれた「ひこにゃん」。国内のゆるきゃらブームを主導しただけでなく、今年10月には古都・奈良で火花を散らしていた「せんとくん」「なーむくん」を彦根に招き、お祭り会場で和解させるという、“歴史的”大役も果たした。

 産経新聞創刊75周年を記念して大阪・ミナミで開催されたイベントにも出席し、大阪市浪速区の産経新聞大阪本社編集局でももてもてぶりを発揮した。

 年末の恒例行事となった彦根城すすはらいにも元気な姿をみせ、来年も関西をネコ年にする?

 和歌山の「たま」も相変わらずの人気ぶり。1月に和歌山電鉄の貴志駅長から「スーパー駅長」に昇格。春には念願の「駅長室」が完成した。

 その後フランスのドキュメンタリー映画のロケ、和歌山県からの「和歌山県勲侯爵(わかやまでナイト)」称号の授与など、スーパーぶりは相変わらず。

 『我が輩はスーパー駅長、たま卿だニャ。今年の干支はにっくきネズミだったが、知事の仁坂吉伸君が「わかやまでナイト」の称号を贈ってくれたし、フランス映画にも出演を果たし、我が輩の年だったのは間違いないニャー。2009年は我が輩、世界的女優として、さらに飛躍すること間違いなし。ニャに? みんな、我が輩がメスだってこと知らなかったの?』

 ひこにゃんともども、タレント並みのハードスケジュールで、来年に疲れを残さないか心配なほどだった。

 ●ノラたち

 広島市のJR玖村駅では、ノラネコが住み着いて「見送りネコ」と話題になった。駅周辺に住み着いて、冷え込む時間帯になると自動改札機の上で温まる様子が乗客を見送っているように見えたようだが、ノラらしく、現在はいなくなっているという。自由気ままなのがネコの身上ということか。

 一方、大阪発祥ともされるネコカフェはまったり癒されると評判になり、いまや全国各地にあるようだが、余部鉄橋のたもとの喫茶店「かあら」(兵庫県香美町)のネコたちはノラの親子。もうすぐ見納めとなる鉄橋を頭上に仰ぎ見るロケーションは抜群で、鉄道ファンだけでなく、冬になってカニツアーの途中で訪れる客も多く、人気は上々という。ただし店は普通の喫茶店形式だ。

 ●ネコカフェ

 ネコカフェは実は台湾が発祥だという。国内では平成16年に大阪にできたのを皮切りに徐々に数が増え、今では首都圏を中心に急増中。ネコカフェといえば、カーペット敷きでネコたちの遊び道具や寝床があって、まるで保育園のようなスタイルが主流。人間とネコが同じ目線で触れ合えるところがいい。

 大阪市東成区で人気の、その名も「猫とあそぼ」では、常時和洋の8匹がスタンバイしていて、「たまにお客さんのネコも混じります」(オーナー)というにぎやかさ。ビルの1階に入居しているが、ドアのつくりはまるで一軒家。自宅に帰ってきたかのような安心感も魅力か。

 一方、9月にリニューアルしたばかりの阪急高槻市駅前の「ねこの部屋あまえんぼう」(大阪府高槻市)。玄関で靴を脱ぎ、店内に上がると18匹のネコたちが出迎えてくれる。天井には梁に見立てたキャットウオークがかかり、じろりとこちらの様子をうかがう猫も。ゆったりとくつろげるソファが並び、まるで家のような雰囲気。

 石川隆久店長(26)は「コンセプトはネコのいる自分の部屋」と話す。店オリジナルのネコマグカップを片手にネコをながめていた男性は、「マンションで飼えないので週に一度ここで癒されてます」。男性客も多く、客数は右肩上がりとか。1時間(ドリンク付)840円。問い合わせは((電)072・683・7252)。

 ●招き猫に人形ネコ

 招き猫の寺として知られる京都・祗園の隠れた名刹・檀王法林寺。全国から招き猫が奉納されているが、今年12月には寺を創建した袋中上人が眠る福島県いわき市から、黒いフラダンスネコが奉納された。もともと同寺では黒い招き猫がシンボルで、寺でも授与しているほど。ネコ人気の年だっただけに、袋中上人もさぞ上機嫌のことだろう。

 一方9月には、忠臣蔵をネコ人形で再現した「義士ネコ」展が兵庫県たつの市のカフェで開催された。同県赤穂市在住のデザイナーが、時の将軍・綱吉が「犬公方」と呼ばれたことに“対抗して”ネコを擬人化したのだという。こちらもいずれも黒ネコで、癒し系というより神秘系の黒猫のかわいい姿が大人気。11月にはパリでも展覧会が開催されたとかで、こちらも人気は国際級だ。

 さて来年は丑年。ネコたちはどこへ行くだろうか。

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