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2008年12月30日(火) 16時28分

かんきつの新品種導入活発中国新聞

 かんきつの新品種の導入が広島県内のミカン産地で活発だ。「せとか」「はれひめ」「はるか」「マイルド清見」の4品種。2006年から順次、本格出荷を始めた。多品種化で収入の安定を図り、収穫期の分散化により作業の軽減も狙う。温州ミカンに比べて高値で取引されるものの、消費量の拡大が課題となっている。

 広島市中央卸売市場の統計では、温州ミカン1キロ当たりの平均卸値は07年12月は160円。06年は303円、05年は136円で、表年や裏年など収穫量の影響を受ける。過去10年間も30—100円の価格差で浮き沈みを繰り返す。

 また、収穫期が11月から1月に集中。農家の高齢化が進み、負担となっている。栽培面積も、わせ種と普通種を合わせて07年は1820ヘクタールで前年比15.4%減。10年前と比べると約3割減った。

 4品種は市卸売市場で、卸売価格の平均は温州ミカンの1.2倍から4倍。JA広島果実連(竹原市)は「高値で取引されれば、農家の収入増になり、生産意欲も向上する」と強調する。しかし、市場での高値は流通量が少ないためとの見方もある。

 JA広果連は、品種ごとに店頭で活用できる専用のポップ広告を作り、少量を化粧箱に入れて出荷するなど新品種の浸透やブランドづくりに力を入れる。

【写真説明】新品種「はるか」の実り具合を確かめる上神さん(呉市豊町)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812300227.html