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2008年12月30日(火) 02時34分

<自民党>選挙区決まらぬ20人 一部に「造反予備軍」も毎日新聞

 与野党が激突する来年1月の次期通常国会をにらみ、自民党の衆院議員305人のうち、いまだ選挙区などが決まらない約20人の現職議員が、にわかに「存在感」を増している。08年度第2次補正予算案や09年度予算案の関連法案が野党多数の参院で否決されれば、衆院での再可決に3分の2以上の賛成が必要。与党から17人が反対すると、廃案に追い込まれるだけに、次期衆院選で比例下位に追い込まれそうな一部議員が「造反予備軍」となる可能性も与野党でささやかれている。【田所柳子】

 自民党が圧勝した前回郵政選挙(05年)では、比例代表のみの純粋比例候補が大量当選。加えて、郵政民営化の造反議員への「刺客」となったものの、造反議員の復党で居場所を失った議員など計20人が、不安な年末を迎えている。

 今期限りで政界引退するベテラン議員を除いて、多くの議員が当選圏外の比例下位や、無所属での選挙区出馬を余儀なくされそうだ。

 まだ行き場の定まらない現職議員は党執行部に対し、自らの処遇改善を再三要望。自民党内には「働きたくても、仕事がない今の雇用情勢のよう」(幹部)と同情する向きもある。しかし、党選対は「勝てる候補」の擁立を最優先している。

 ところが、渡辺喜美元行革担当相が民主党提出の衆院解散要求決議案に賛成するなど、党内では「麻生離れ」の動きも顕在化し、苦境にあった議員に対する党内の視線が変わり始めた。

 通常国会の厳しい国会運営を目前に控え、重要法案の早期成立のため、与党内の結束を迫られる党執行部は、若手の一部を比例上位で処遇することも検討している。

 次期衆院選での再選が厳しい議員が17人集まり、自民党執行部に処遇改善を要求すれば、新たな不安定要因が生まれかねない。造反議員の復党で、選挙区を失った当選1回のある衆院議員は「あらゆる選択肢を捨てずにやっていく。何でもありだ」と語った。

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