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2008年12月30日(火) 08時02分

民主 組閣へ“身体検査” 年明け「政治とカネ」対策産経新聞

 民主党執行部が年明けから、次期衆院選での政権交代を見据え、全議員に対する独自の「身体検査」をスタートさせることが29日わかった。衆院解散・総選挙を目前に、議員の事務所費の架空計上や流用といった「政治とカネ」をめぐる問題が露呈すれば党に打撃になるうえ、政権奪取した後も閣僚のスキャンダルが政権への命取りになりかねないからだ。ただ、現政権のように内閣情報調査室や警察機関に「身体検査」を頼ることはできない事情があり、議員自ら襟を正すことが求められているようだ。

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 民主党が12月24日に党本部で開いた平成20年最後の両院議員総会では、小沢一郎代表らの発言に続き、平野博文幹事長代理が改正政治資金規正法の問題についてとりあげた。

 総会に先立ち、参加した全議員に、改正政治資金規正法のポイントを記したペーパーが配布された。平野氏は21年分の報告書からは、国会議員に関係する政治団体は人件費を除く1円以上の全領収書が公開の対象になることを説明し、これらを厳しく守るよう指示した。同党幹部は「中には収支報告書の記載がきちんとできていない人もいる。カネの問題で不備のないようにするために両院議員総会をやった」と語る。

 民主党が政権を獲得すれば1府11省の大臣、副大臣、政務官として50人以上が選ばれる方向。だが同党議員にしてみれば、小沢氏ら自民党からの離党組の閣僚経験者は別として、多くの議員が初めて政権の中枢に入る。細かい「身体検査」を受けたことがなく、不祥事が露見すれば「野党」に糾弾されかねない。

 今年10月には同党に所属した前田雄吉衆院議員(比例東海)の政治団体が17年から19年にかけ、マルチ商法業者やその団体から500万円以上の寄付金などを受け取っていたことが発覚し、次期衆院選不出馬へと追い込まれた。

 自民党の「マルチ疑惑追及プロジェクトチーム(PT)」は、民主党や同党所属議員の政治団体がマルチ商法業界の団体・業者から献金を受けていたとして、年明けの通常国会で追及する構えだ。

 民主党はこうしたスキャンダルにも厳しく対処する方針で、党幹部は「若手議員には(カネに関して)甘い者が結構いる。処理できなかったところもあるが、政権を取るということになったら、そうはいかない。厳しい身体検査が必要だ」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081230-00000064-san-pol