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2008年12月30日(火) 21時52分

「車で生活するしか…」 年の瀬もハローワークへ中国新聞

 年の瀬ぎりぎりまで続く職や住居探し。全国の主要な公共職業安定所(ハローワーク)は三十日まで相談窓口を開いた。「年末なんて言ってられない」「車で生活するしかない」。窮状を訴える職を失った非正規労働者ら。来年へささやかな希望を求め、次々に窓口を訪れた。

 東京キャリアアップハローワーク(東京都新宿区)を訪れた北海道名寄市出身の元期間従業員の男性(23)は、二件の住宅を紹介され、少しほっとした表情を見せた。

 ホンダのオートバイや自動車にあこがれ、昨年から三重県鈴鹿市などの同社工場で、自動車製造のラインに入ったが、二十一日に解雇された。「不安定な立場と覚悟していたが、こんなに早く切られるとは思わなかった」と振り返る。

 「次の仕事より、まずは住まいをどうにかしないと」。来月中旬には寮から出なければならず、切羽詰まっていた。心配をかけたくないと、親にも失職を伝えていない。「正月はインターネットで職探し。高望みはしない。安定していればいい」とつぶやいた。

 「派遣会社のアパートに住めるのは来月初めまで。その後は自分の軽乗用車で生活する」と言うのは、愛知県豊川市の男性(52)。同県豊橋市のハローワークで、国から住宅敷金などの融資を受ける制度の説明を受けたが、見通しは立っていない。

 派遣会社の紹介で働いていた豊川市の鋳物工場は今月いっぱいで解雇を告げられた。既に名古屋市でホームレス生活を始めた元同僚もいるという。

 残業が少なくなり、十一月の給与は前月から約十二万円も減って二万四千円。九月まで二人の娘に仕送りしてきたため貯金もほとんどない。「心配した次女が電話してきたが、何とか頑張るとうそをついた」とうつろな表情で話した。

 大分キヤノンや東芝大分工場で大量の人員削減があった大分市のハローワークプラザおおいた。三十日も職員九人が緊急の窓口で対応した。

 大分キヤノン安岐事業所(大分県国東市)の男性請負社員(26)は来月下旬の解雇が突然決まった。寮の退去を迫られているが、妻(23)が一月に出産予定で引っ越しができない。寮の住居を個人契約に切り替える初期費用を借りようと同プラザを訪れた。

 周囲も次々と解雇通知を受け、仕事も手に付かない状況だが、大半は「どうしようもない」とあきらめ気味だという。「子供も生まれてくるし落ち込んでいられない。職種は問わず正社員として働きたい」と話した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812300272.html