記事登録
2008年12月30日(火) 23時22分

ロシアがガス供給停止を再警告 対ウクライナ、欧州も懸念東京新聞

 【モスクワ30日共同】ロシア政府系天然ガス企業ガスプロムのミレル社長は30日のテレビ番組で、ウクライナ側が滞納ガス代金を年内に完済しなければ、来年1月1日からガス供給を止めるとあらためて警告した。

 ガス供給契約の期限切れが31日に迫る中、ロシアのプーチン首相とウクライナのユーシェンコ大統領が29日に電話会談するなど交渉が続けられているが打開の見通しはなく、ウクライナ経由のパイプラインでロシアからガス供給を受ける欧州でも懸念が高まっている。

 ガスプロムのクプリヤノフ報道官は30日、ロシアがウクライナに支払っている欧州向けガスのパイプライン通過料を前払いし、返済に充てることも提案したが、ウクライナが同意していないと述べた。

 金融危機で打撃を被ったウクライナは、約20億ドル(約1800億円)とされる債務の年内完済は不可能と主張。来年のガス供給契約も更新されていない。

 ガスプロムは、供給停止に向けた社内組織を立ち上げたと説明。欧州の市場価格に従えば、ウクライナ向けガス代金は現在の約2・3倍の1000立方メートル当たり418ドルに引き上げられるべきだとも主張している。

 供給停止は親欧米のユーシェンコ大統領に対する政治的圧力との見方もあり、実行すれば米欧が反発するのは必至。ガスプロムは3年前にも値上げ交渉決裂を理由にウクライナ向けガス供給を一時停止した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008123001000449.html