【モスクワ30日共同】ロシア大統領府は30日、メドベージェフ大統領が大統領の任期を現行の4年から6年に延長する憲法改正案に署名したと発表、改憲が成立した。次の選挙で選ばれる大統領から適用される。これにより同一人物の2期12年にわたる長期政権が可能となった。ロシア現行憲法の改正は1993年の国民投票による成立以来初めて。
ロシアでは現在も国民の高い人気を誇るプーチン首相の大統領職復帰の可能性が取りざたされており、大統領任期が正式に延長されたことで今後のプーチン氏の去就がさらに注目を集めそうだ。
憲法改正は11月初めにメドベージェフ氏が提案。大統領任期の延長という重要案件が提案から約2カ月の短期で実現したことは大統領への強大な権力の集中ぶりを示した。欧米で「民主化の後退」との懸念が高まることも予想される。
改憲ではほかに、下院議員の任期も現行の4年から5年に延長された。
メドベージェフ氏は民主主義強化のためとして改憲を提案。大統領の現行任期には適用されないことなどから、2期8年大統領を務めたプーチン氏の後継指名を受けて当選したメドベージェフ氏が改憲を実現して来年辞任し、プーチン氏を早期に大統領に復帰させる布石との憶測を呼んだ。
プーチン氏自身は次期大統領選が予定される2012年まで首相の職責を果たす姿勢を示しているが、次期選挙への立候補については態度を明確にしていない。
改憲案は上下両院で可決、ロシア連邦を構成する83すべての自治体議会で承認された。