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2008年12月30日(火) 10時09分

陳前総統の保釈取り消し、再拘置 台湾地裁が決定東京新聞

 【台北30日共同】台湾総統府機密費の不正流用事件をめぐり、マネーロンダリング(資金洗浄)防止法違反などの罪で起訴された陳水扁前総統について、台北地裁は30日未明、保釈の決定を取り消し、再び拘置する決定を下した。これに伴い、起訴後に保釈が認められていた陳前総統は出廷していた地裁から再度、台北郊外の拘置所に収容された。接見は認められるという。

 陳前総統の身柄をめぐる公判はこれで3回目。審理は29日午後から始まり、約12時間に及んだ。地裁前などには数十人の支持者らが集まり、「阿扁(前総統の愛称)は無罪、司法は不公平」などと抗議の声を上げた。

 地元メディアによると、検察側は公判で、陳前総統らによる不法所得は約7億4000万台湾元(約20億3000万円)に上るが、大半は今も海外の銀行口座にあると指摘し、海外逃亡や証拠隠滅などの恐れがあると主張。陳前総統は徹底抗戦の構えを崩さず、双方の激しい弁論が行われたという。

 最高検は陳前総統らが関与しているとされる汚職事件などの捜査を継続中で、16日に拘置延長を求めて準抗告。しかし地裁は18日、原判断の保釈を維持すると決定。最高検は25日に再び準抗告し、高裁が地裁に再審理を命じていた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008123001000119.html