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2008年12月30日(火) 09時58分

市民球場の「埋蔵金」10億円中国新聞

 来年3月に51年の歴史を終える広島市民球場(中区)が、10億円を超す「遺産」を残す。球場の改修と広島東洋カープの育成強化を目的に積み立てられてきた市民球場基金だ。球場が閉鎖されれば基金条例も廃止されるため、市は使い道の検討を始めた。

 市民球場は1957年、広島初のナイター球場として誕生した。基金の前身である積立金が設けられたのは3年後。球場の光が、被爆地の復興の象徴だった時代だ。64年、前年の地方自治法改正を受けて基金になった。

 積立額は、カープの球場使用料を主な財源にする特別会計の剰余金に加え、観客数で決まる仕組み。有料入場者が2万1000人を超えた試合数を基に、カープが追加使用料を払う。

 市民球場ファイナルイヤーの今年、カープが主催した66試合(他球場を除く)の観客数は約131万8000人に達し、歴代2位を記録。追加使用料の対象は24試合となり、カープは約6500万円を払った。

 特別会計の剰余金約1400万円と合わせ、基金残高は、現段階で約9億5000万円になる見込み。10億円は、野球の殿堂が半世紀をかけて残す遺産。それを支えたのはカープを愛し、球場で声をからした市民にほかならない。

【写真説明】来年3月で51年の歴史に幕を下ろす市民球場。改修費などに積み立てられた10億円が「遺産」として残る

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812300059.html