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2008年12月30日(火) 09時58分

広島市の市民菜園確保足踏み中国新聞

 団塊世代などの生きがいづくりのため、広島市が2011年の春までに、市民に1万区画の貸し農園を提供するプロジェクトが思うように進んでいない。菜園ブームの中、利用者には大好評だが、本年度は肝心の農地を年間目標の半分しか増やせていない。市は「このままでは計画に遅れが出る」として、遊休農地を持つ農家への働きかけを強める。

 市のプロジェクトは、昨年5月にスタートした。現在も、市民対象に3つのタイプの141カ所・6640区画の貸し農園がある。それを4年がかりで1万区画まで増やすのが目標だ。市内に市民菜園で約50万区画分もある耕作放棄地が生じている現状から、市は農家の協力は十分得られると市はみていた。毎年4月ごとの新規開設の目標を設定した。

 1年目は順調だった。今年4月の目標通り、10カ所で670区画を開設。利用率も97%と人気だった。ところが、目標をその倍に設定した2年目の本年度はその5割の700区画しか、まだ確保できていない。

 野菜づくりなどに挑戦してみたい団塊世代などのニーズと、膨大な遊休農地をどう結び付けるか。仲介役となる市の責任は一段と重くなっている。

【写真説明】市が仲介した市民菜園で野菜づくりを楽しむ田中外城雄さん夫婦。市民のニーズは高い(安佐南区)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812300033.html