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2008年12月29日(月) 06時01分

[編集長の選ぶ10大ニュース]「文芸春秋」飯窪編集長スポーツ報知

 「毒ギョーザ」と「王理恵さんの破局」で始まり「100年に一度の大不況」と「飯島愛さん急死」で終わろうとしている2008年。日々のニュースを追い続けてきた人たちの目にはどう映ったのか。永田町騒然の論文を掲載したあの総合誌の編集長からキャバ嬢のカリスマまで、「変」の一文字では片づけられない一年を振り返ってもらった。敏腕編集長たちがそれぞれ独特の切り口で、今年をメッタ斬りした。

 出版界の日本代表「文芸春秋」の飯窪成幸編集長(49)は「米国発世界同時不況」をトップニュースに持ってきた。「1〜3位までを独占するほどの重みがある」と指摘。「経済は米国型が理想のモデルとされてきたが、それが根底から崩れた。19年前の『ベルリンの壁崩壊』以来の『パラダイムチェンジ』(根本的転換の意)になるのではないか」。

 4位に、福田首相の電撃辞任と後継の麻生首相の不人気ぶりを挙げた。麻生首相が「文芸春秋」11月号に、就任早々の衆院解散をぶち上げた原稿を寄せたことで、永田町は騒然。その内幕については沈黙を守った飯窪さんだが、「日本は政治も経済も先行き不透明」と話した。

 5位の「オバマ氏、黒人初の米大統領に」は「オバマ氏は閣僚の人選から力強さを感じる。金融危機下での日米の政治情勢が対照的」と指摘する。

 6位は「平成“20年”の天皇陛下のご心痛」。今月、陛下は体調を崩されたが「一家そろって元気な姿を見せていただければ」。7位に選んだ「厚生次官宅連続襲撃事件」は、「当初、報道も含め、誰もが『原因は年金だ』と思っちゃった。『官僚不信』が極まっている表れ」と見る。

 聖火リレーの妨害行動など外野も騒がしかった北京五輪関係では唯一、「星野ジャパン“炎上”」(9位)を挙げた。「星野さん、国賊扱いだったでしょ。あれだけたたかれるのが不思議だった」と首をかしげていた。

 ◆飯窪 成幸(いいくぼ・まさゆき)1959年9月7日、東京都生まれ。49歳。慶大文学部国文学科卒。82年、文芸春秋社に入社。営業部を経て「週刊文春」編集部に異動。約4年間在籍し、その後、出版部、「諸君!」編集部などを経て、98年に「文芸春秋」編集部に着任。03年4月に同誌編集長に就任した。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081229-OHT1T00085.htm