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2008年12月29日(月) 10時13分

戦後の川辺復興写真を寄贈へ中国新聞

 戦後の広島の川辺や街並みの変遷を、市民の目線で半世紀にわたって撮影した人がいた。2月に96歳で死去した広島市南区の元中学教諭、大段徳市さん。生前に残した約40万点に及ぶネガとプリントが、市に寄贈されることが決まった。寄贈写真としては過去最多。市は被爆地の復興を物語る資料としてインターネットで公開を目指し、整理と分析を本格化する。

 大段さんは社会科教諭として段原中(南区)に勤めていた1954年から休日に市内全域を自転車で回り、太田川水系の6本の川が流れる市街地の川辺を中心に撮影。橋や通りを目印に、同じ場所に何度も立ち、シャッターを切った。撮影は、体調を崩す2002年ごろまで続けた。

 膨大な写真は被爆地の再生をつぶさに記録する。1950年代、猿猴川の川辺に店舗がひしめいた広島駅前のにぎわい。原爆ドーム近くの元安川の川辺のバラックが60年代に立ち退きで消え、緑豊かな憩い場となる景観の移り変わり…。

 長男の元高校教諭、徳行さん(67)=広島市西区=は「古里が被爆から復興する姿を撮るのが父の何よりの楽しみだった」と振り返る。写真やフィルムを保存してきた家が再開発で解体される事情もあり、一括して市への寄贈を決めた。

【写真説明】<上>1960年の元安川。原爆ドームそばの貸しボート乗り場や喫茶店などの様子を記録する(大段徳市さん撮影、広島市文化振興課提供)
<下>寄贈を決めた写真を前に、亡き父に思いをはせる大段徳行さん=広島市西区の自宅(撮影・今田豊)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812290044.html