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2008年12月28日(日) 08時00分

片岡愛之助、映画も写真集も「歌舞伎のため」スポーツ報知

 公開中の映画「私は貝になりたい」(福澤克雄監督)に主演するSMAP中居正広(36)と共演している歌舞伎俳優・片岡愛之助(36)に注目が集まっている。劇中ではC級戦犯として罪に問われる主人公の上官役を好演。上方歌舞伎界の若手きってのイケメン俳優だが、2009年も歌舞伎にとどまらず、主役映画の公開を控え、初めての写真集も出版するなど実力、人気ともに、まさに飛躍の年を迎えようとしている。

 「休みがなく、まだ映画館で見ていないのが残念で。撮影現場でいきなり小学校以来の丸坊主にもなって。この作品でいまの平和な時代に過ごせることの幸せを改めて感じましたね」

 愛之助は軍事裁判でC級戦犯に問われる中居演じる主人公に一番厳しくつらく当たる上官を、迫真の演技で見せる。軍事裁判では嘘の証言で命ごいする者も多い中、この上官は責任を取って自害する。見る者に強烈な印象を残す役だ。

 「ほんとうに映画に出てくるように槍(やり)を持って(わら人形を)刺す訓練をやっていたのかと思うと寒気がしました。いまの時代、赤紙が来ても戦いに行くでしょうか。逃げるんじゃないでしょうか」

 劇中とは対照的に撮影の合間はなごやかムードだった。「中居君とは同じ年。非常に気さく。SMAPは歌って踊って芝居もコントもこなせる。尊敬しますね」。愛之助は来年、主演映画「築城せよ!」の公開も控える。映像の仕事のオファーも増えている。

 珍しいケースで梨園でなく一般家庭に生まれた。親が情操教育の一環で通わせた松竹芸能で子役でテレビ、舞台に出演。歌舞伎が「単純にきれいでおもしろそう」と思い始めた9歳の時、後に愛之助を養子にする片岡秀太郎から声をかけられる。幼いながらも役者として「華」があることを見抜いていたからだ。

 「父に声をかけてもらっていなければ?いま何をしてたか想像もつきませんね」。昨今の成長と活躍にはめざましいものがある。しかも5年間、1日も休日はなし。「慣れれば平気ですよ。ありがたい。常に100%出し切り、その勢いで走って。横になれば3秒で熟睡。1日寝たら疲れも取れますしね」と、こともなげに言う。

 人気の上昇に伴い、2月には初の写真集(ぴあ刊)も出版する。「最初は写真集出すほど自分のこと好きじゃないし買う人もいないから『止めましょう』と言ったんです。でも歌舞伎を見たことのない人のきっかけになるなら。そのためなら何でもしたいんです」

 ◆片岡 愛之助(かたおか・あいのすけ)1972年3月4日、大阪・堺市生まれ。36歳。一般家庭に生まれ5歳に芸能活動をスタート。9歳で13代目片岡仁左衛門の部屋子となり片岡千代丸の名で初舞台。92年、片岡秀太郎の養子となり6代目片岡愛之助を襲名。屋号は松嶋屋。上方舞・楳茂都(うめもと)流の4代目家元後継者。「ラブリン」の愛称で呼ぶファンも。

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