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2008年12月28日(日) 00時19分

日本製携帯、中国で大量“闇”流通 盗難品か 産経新聞

 中国で出所が分からない日本製携帯電話が大量に出回り、一部は中国人が日本で不正購入し、中国に運び出していることが27日、分かった。最近では携帯価格の上昇に伴い、携帯販売店から盗んで運び出している可能性も高いという。日本製携帯電話は中国でステータスが高く、高値で売買される。警察当局は日本製人気を背景に、携帯が不正な手段で中国に流出しているとみて捜査している。

 NTTドコモによると、同社が首都圏で把握しているだけで、大量盗難はここ1年間に約40件発生。茨城県では1店から219台(1000万円相当)が盗まれるケースもあった。

 最近でも12月6日には神奈川県の店から49台、8日に静岡市の店から104台、19〜20日に群馬県内の2店から計180台など大量盗難が起こっている。

 盗まれた携帯の大半が個人データが入った「SIMカード」を誰でも差し替えられるドコモとソフトバンクの携帯。自分のSIMカードを盗んだ携帯に差し込めば自分の携帯になる。店でしかSIMカードを差し替えられないauでは被害が確認されていない。被害総数は明らかなだけで3000台を超え、いずれも中国や欧州でも使えるタイプの機種だった。

 警察庁は携帯を狙った中国人窃盗団の過去の摘発例から「海外に送っている可能性は否定できない」とコメント。捜査幹部は「何らかのルートで中国に流れている」とみている。

 中国在住の日本人によると、日本製携帯は中国の携帯ショップやネットで4000元(約5万円)前後の高値で売られ、中国で売っていないはずの機種がネットの人気ランクに入るほど取引されている。

 中国の販売業者によれば、このうち多くが、買い付け役の中国人が日本人の偽名を使って大量購入し、中国に持ち出している。本人確認をしなければ携帯電話不正利用防止法違反だが、店側は中国人と知っていても「お得意さま」なので見逃しているという。

 しかし昨秋、携帯各社が本体価格を通話料に転嫁させて安く抑える方式を相次いで廃止したため、携帯価格が上昇。一般的に以前、3万円台で購入できた人気機種が5万円程度になった。

 このころから、大量盗難が急増。携帯事業者は「本体の高額化と契約時の個人確認の強化で偽名購入者の一部が大量窃盗という実力行使にシフトしたのでは」とみている。(桜井紀雄)

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