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2008年12月28日(日) 11時00分

大学生就活戦線が苦境 5私大、合同説明会へ琉球新報

 雇用情勢の悪化に伴い、県内大学生の就職活動が厳しさを増している。3年生の就職活動が始まったが、琉球大学の求人数(3年生対象、11月末累計)は、県内外合わせて2829人と前年の47%程度。私大では4年生で内定していない学生も多く、各大学の就職担当者は「昨年とは状況が一変し、10月以降の求人数が激減している」と頭を抱えている。
 こうした事態を受け私立5大学は、1月23日午後1時から沖縄国際大学で、4年生を対象に初の合同企業説明会を開く。内定した4年生が3年生の相談に乗ったり、就職活動を担当職員挙げて後押しするなど、支援も広がっている。
 琉大は「4年生は悪化する前に就職活動を終えた学生が多い」と楽観視するが、3年生対象の求人数は11月末現在、県外は2804人で前年比49%、県内は25人と同8%に激減。私大では例年、公務員試験後の進路変更などで4年生の10月ごろから動き始める学生も多い。「大半が秋以降に決まる」大学もあり、9月ごろから急速に始まった景気後退は、私大学生の内定率を左右しかねない。
 4年生対象の求人数は、沖国大が11月末で前年比14%減、名桜大は同38%減。沖縄大では「3年生の求人数は県外は5割減、県内は3割減。4年生の求人は激減状態」と説明。ことし春先までの「売り手市場」から一変した現状に「4年生の意識がついていっていない」と危惧(きぐ)し、担当職員らで「内定ゲットキャンペーン」を始めた。
 琉大就職センターでは、12月から内定した4年生の有志が3年生への相談に応じるボランティアを開始。内定取り消しも経験し、9月半ばに就職を決めた三上安敦千暁(あんとんちあき)さん(工学部4年)は「今後はハードルがますます高くなるが、頑張ってほしい」とエールを送る。(佐藤ひろこ)

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