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2008年12月28日(日) 10時25分

7年内に拡張整備 那覇空港ターミナル計画琉球新報

 国土交通省航空局は27日までに、那覇空港ターミナル地域整備基本計画をまとめた。「アジアゲートウェイ構想」に対応した空港機能の強化に向けて、新たな施設配置や、地区割りを示した。老朽化した国際線ビルを移転し、国内線と一体化した「際内兼用」の形で旅客ターミナルビルを拡張整備する。整備工期として7年を見込んでいる。
 1986年に完成した国際線ビルは手狭で老朽化が進み、国内線ビルとも離れていることから、利用が不便な状況となっている。基本計画では、国際線ターミナル地区を国際線ビルの南側へと移転し、航空機からターミナルに直接出入りすることができる「フィンガー」を持った新国際線ビルを整備する。
 現在の国内線ビルは南北に拡張し、南側には現在と同規模のビルを増築、北側にはフィンガー1基を増設する。新国際線ビルとの間は連絡通路で結び、国際線ビルは国際・国内が兼用とする。
 旅客ターミナル地区面積のうち、国内線ビルは5万4400平方メートル、国際線ビルが7500平方メートル。那覇空港のフィンガーは計4基となり、利用客の混雑解消と利便性向上を図る。
 国際貨物物流の拠点形成を目指した貨物ターミナル地区は、旧国内線地区へ全面移転し、面積6万平方メートルを確保する。既に10月から大栄空輸が事業主体となって新貨物ターミナルビルの建設を始めており、2009年9月に完成する予定だ。現在の貨物ターミナル地区が撤去した跡地に、国際線ターミナルが移転する形となる。
 現在の国内、国際線ビルを運営する那覇空港ビルディング(NABCO)も、新たな旅客ターミナルビルの拡張の整備主体を担う方針を役員会で確認しており、12—15年の使用開始を想定している。
 このほか固定翼、プロペラ機合わせて48機の駐機場所を確保するため、エプロン地区として48・77ヘクタールを設定。駐車場は11・65ヘクタール、立体駐車場を基本に4270台の駐車を想定する。
 基本計画策定にあたり、25年度の需要予測である国内旅客1900万人、国際旅客50万人のターミナル利用に対応できるよう設定。航空貨物は75万トンを想定した。滑走路は現行の1本を基本とし、2本目増設は考慮していない。計画に盛り込んだ整備後の施設の拡充については「需要の動向等を見極めつつ必要な時期に実施する」とした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000004-ryu-oki