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2008年12月28日(日) 14時49分

世界初の「CO2排出ゼロ地区」生態都市の開発断念か—上海市Record China

2008年12月26日、米紙「クリスチャン・サイエンス・モニター」の報道によると、上海市崇明島東灘エリアに建設が予定されている「生態都市計画」の実現が危ぶまれているという。環球時報が伝えた。

「生態都市計画」は、07年10月の「第19回上海市市長による国際企業家のための諮問会議」で大きく取上げられた。当時の計画によると、ビルの屋上には芝生や植物が断熱層として活用され、街には燃料電池を動力としたバスが走る。また、固体ゴミの80%をリサイクル活用するとともに、風力発電や有機廃棄物を利用したバイオ発電などのクリーンエネルギーを利用し、2010年には5万人が居住する世界初の「二酸化炭素排出ゼロ地区」になる予定だった。

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しかし、現在の東灘エリアには生態都市関連の建築物が見当たらないだけでなく、開発工事は中断された状態で、一部の開発許可は期限切れにさえなっている。同地区の開発を請け負っている国際的なコンサルティング会社、英・アラップ(Arup)社の責任者は「プロジェクトそのものを放棄したわけではない」と語っているという。

こうした状況に、同紙は「同地区の現状は、過剰すぎた政治的野心の象徴」と批判する。また、中国では「生態」「緑色」「エコロジー」などの言葉に明確な定義がされておらず、様々な施設や商品にこれらの名前が使用されており、上海市ではレジャー施設でさえ「生態地域」として開発されていると指摘している。(翻訳・編集/HA)

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