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2008年12月28日(日) 13時15分

ガザ空爆死者220人突破 イスラエルは空爆継続の構えCNN.co.jp

ガザ市(CNN) イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザで引き続き空爆を実施し、医療関係者によると死者は少なくとも225人、負傷者が400人に増加した。イスラエルのバラク国防相は、ガザ地区からイスラエル南部へのロケット弾攻撃が激化している事態を受けた措置だと発言。しかしガザ地区を実効支配するイスラム強硬派勢力ハマスは、停戦に違反したとしてイスラエルに非難の矛先を向けている。

バラク同相は、ハマスの戦闘員が「態度を改める」用意ができるまで、イスラエルが攻撃を継続する方針を表明。「この作戦は短期ではない。テロとの戦いが進行するなか、われわれは(イスラエル)南部情勢を変えるため断固たる態度を取らなければならないだろう」と語った。イスラエルとハマスがエジプトの仲介で結んでいた停戦は19日に切れている。

同相はCNNに対し、イスラエルが3年前にガザ地区を撤退した後、同地区から無実の市民がロケット弾攻撃を受ける結果になったため、軍事力で対応せざるを得なくなっていると述べた。

ハマスはイスラエルへの報復攻撃を明言。スポークスマンのオサマ・ハムダン氏は「われわれは住民と土地を守るために立ち上がる。あきらめない」とコメントするとともに、ハマスがロケット弾攻撃で停戦に違反し、イスラエルの攻撃を挑発したとの見解を否定した。

ハムダン氏はまたCNNに対し、停戦期間中のロケット弾攻撃を全面否定。「停戦に違反したのがイスラエルであることは明らかだ。停戦期間中、(イスラエルは)全ての検問所を閉鎖し、パレスチナ人28人を殺害した」と述べた。

イスラエルとハマスの間で非難の応酬が続くなか、ガザ市内では遺体が散乱し、医療関係者が負傷者の手当てに追われている。負傷者の大半は重傷を負ったか、深刻な容体にあるとされる。エジプト政府は負傷者の治療および搬送を支援するため、救急車20台と医療要員をガザ地区との境界付近に派遣した。

アラブ連盟は空爆を非難し、カイロで28日午後7時から緊急会合を開くことを決めた。ムーサ事務局長はCNNに対し、ガザ地区情勢の緊迫化に懸念を示し、民間人の死傷者が出たことを重く受け止めていることを明らかにした。同連盟は国連安全保障理事会に対し、全ての当事者に暴力停止と和解を呼びかける声明の発表もしくは決議の採択を求めていく。パレスチナ自治政府にも各勢力間の内紛解決を促す方針という。

また、米国家安全保障会議(NSC)のジョンドロー報道官やライス米公務長官は、イスラエルの空爆とハマスのロケット弾攻撃を非難し、停戦回復を望む姿勢を表明。潘基文国連事務総長も声明で深い危機感を示し、直ちに暴力沙汰を止めるよう呼びかけた。




オバマ氏とライス国務長官、ガザ情勢について電話協議
イスラエルがガザ空爆、停戦切れ後、最大規模の攻撃か
ガザ地区からイスラエルに新たなロケット弾攻撃

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000000-cnn-int