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2008年12月28日(日) 07時01分

異例!石井予選なしで“UFC登竜門”参戦スポーツニッポン

 北京五輪柔道100キロ超級金メダリストの石井慧(22=国士舘大)が、UFCの登竜門大会から本戦出場を目指す。26日(日本時間27日)にUFCのダナ・ホワイト社長(39)と初めて対面し、若手選手の育成イベント「ジ・アルティメットファイター(TUF)」出場を確約された。TUF経由での1年後の本戦デビューへ向け、1月から前ヘビー級王者ランディ・クートゥア(45=米国)のジムで練習を開始する。

 いきなりの勧誘だった。27日(日本時間28日)開催の「UFC92」の前日計量前、石井はホワイト社長と初対面。同社長は握手するやいなや「ジ・アルティメットファイターに出ないか」と切り出した。さすがの石井も面食らい「UFCファイターになりたい」と返答するのがやっとだった。

 TUFは若手を育ててUFCへ送り込むイベントで、その過程を追った同名のテレビ番組も人気を集めている。格闘家をラスベガスのはずれの家で共同生活させ、UFCの正式契約を目指して戦わせるという“UFC版ガチンコファイトクラブ”。今回の「UFC92」でメーンを務める王者フォーレスト・グリフィン、挑戦者ラシャード・エバンスも同イベント出身だ。参加するには選考会に出る必要があるが、ホワイト社長は五輪金メダリストの実績とやる気を認めており、総合実績のない新人としては異例の“参戦確約”となった。

 石井が希望する海外修業についても、ホワイト社長は「自分のそばにいたいならランディ(クートゥア)のところにしなさい。今なら米国しかない。一番いい選手とトレーナーがそろっている」と返答。ラスベガスにあるクートゥアのジム「エクストリーム・クートゥア」でまずは1カ月間、総合の練習を積ませることを約束し、石井も「よろしくお願いします」と弟子入りを即決した。

 当初はヒョードルがいるロシアでの修業も計画していた石井は「総合はラスベガスが世界一。ここで学ぶのが一番いい。早めに用意してクートゥアのところに行きたい」と話した。大学卒業が難しくなったこともあり、1月に渡米して練習開始の予定。「出て自分を高めていきたい。出られるからと虫のいいようには思っていない」とTUF出場にも前向きだった。

 ◆TUF(The Ultimate Fighter) ルールはUFCと同じ。米ケーブルテレビの「SpikeTV」で毎週水曜日に放送され、全13回。16人の選手が2チームに分かれて厳しいトレーニングを行い、選抜試合で敗れたものは脱落。勝ち残った2人が最終回の決勝戦で戦い、優勝者がUFCへの出場契約を獲得する。4月から放送のシーズン9も撮影が開始されており、石井は9月スタートのシーズン10参加が有力。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000030-spn-spo