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2008年12月28日(日) 12時07分

自民の再編志向派、民主・前原副代表らに秋波…反応今イチ読売新聞

 政界再編を志向する自民党議員の間で、民主党の前原誠司副代表や枝野幸男・元政調会長らとの連携に期待を寄せる声が絶えない。旧日本新党や旧新党さきがけ時代のつながりに加え、外交・安全保障政策などの考え方が近いと見られているためだ。

 ◆日本新党以来◆

 今月中旬、自民、民主、公明3党の国会議員有志による「海洋基本法フォローアップ研究会」の会合で、前原氏は自民党の中川秀直・元幹事長と親しげに会話をかわした。これを見た自民党の議員の間では、「前原氏は中川氏と連携するつもりではないか」と、ささやかれた。

 枝野氏は12月8日、自民党の渡辺喜美・元行政改革相のパーティーで、「民主党に来て一緒にやっていただけるのか、党を挟んでライバル関係で戦っていくのか。いずれにしろ、頑張ってほしい」とエールを送った。その後、民主党が衆院に提出し、与党の反対多数で否決された衆院解散要求決議案の採決の際、渡辺氏が造反したことで、「枝野・渡辺の連携は本物だ」との見方が広まった。

 前原、枝野両氏はともに日本新党、新党さきがけを経て、民主党結成に参加した経歴を持つ。一方で、民主党の小沢代表とは距離があると見られている。

 このため、自民党内では、麻生首相に批判的な中川氏のほか、かつて日本新党に所属した小池百合子・元防衛相や新党さきがけ出身の園田博之政調会長代理らが「将来的な連携の可能性」を探っているとされる。

 ◆疑心暗鬼◆

 しかし、前原氏らは次期衆院選で政権交代する可能性が高いと見て、連携には慎重な構えだ。

 麻生内閣の支持率が低迷する中、前原氏は周囲に、「党を割って出る必然性がない」と語っている。自らが党代表を務めていた2006年、「偽メール問題」への対応を誤り、党のイメージを損なったとの反省から、前原氏には「党内での信頼回復が先決で、今は自重する時だ」との思いも強いようだ。枝野氏もまた、「政界再編など幻想に過ぎない」と明確に否定している。

 それでも、自民党議員との接触を続けている理由については、「意見が違っても話し合う信頼関係がないと2大政党制は機能しない。だからこそ、話し合えるパイプを作る必要がある」(枝野氏)と説明している。

 ただ、両氏がいくら打ち消しても、民主党内では、疑心暗鬼が絶えない。生方幸夫・前衆院議員は自らのメールマガジンで、枝野氏のパーティーでの発言について「目立てばいいと思っている『自分党』の人たちだ」と批判した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081228-OYT1T00163.htm